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2013年12月3日(火)

デモ隊に退去呼び掛け

タイ首相 退陣要求を拒否

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 【ハノイ=松本眞志】タイのインラック首相は2日、テレビを通じて反政府勢力からの退陣要求を拒否し、デモ隊にただちに政府施設から退去するよう呼び掛けました。インラック氏は、「警察は暴力を行使することはない」とも述べ、「自制をもって事態の平和解決をめざす」との意向を改めて示しました。

 一方、反政府勢力は同日、首都バンコクの首相府と首都圏警察本部に再度デモを実施しました。デモ隊による政府庁舎や国営タイ放送など一部放送局の占拠といった強硬姿勢は、「反独裁民主統一戦線(UDD)」など政府支持者や警察との暴力をともなう衝突を誘発しており、タイ・メディアも双方に暴力抑制を呼び掛けています。

 インラック氏は、1日夜、デモを指揮する民主党のステープ元副首相と会談しましたが、物別れに終わりました。ロイター通信によると、ステープ氏は警察の武装解除を要求し、「話し合いによる解決」を改めて否定しました。会談は軍の仲介で実現。以前、軍は公然と反政府側を支持しましたが、今回は「中立」を堅持しているともいわれます。

 警察は、首相府に通じる道路にバリケードを設置してデモ隊と対峙(たいじ)し、突破をはかろうとする反政府勢力に催涙弾を撃ち込み、放水するなどの対応をとっています。反政府勢力の過激な行動の背景には、過去数回の選挙で政権側であるタクシン派に敗北を続け、「勝てなくなった」ことへのあせりがあるとの見方もあります。

 一方、タイ英字紙ネーションは、「両者の政治抗争は、それを避ける明確な意図もないまま、この国を破滅に追いやろうとしている」と指摘。「暴力に訴えないとの誓約を破った」と双方を批判しました。


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