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2013年11月22日(金)

主張

最高裁格差判決

選挙制度の抜本改革は不可欠

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 最高裁判所が「1票の格差」が最大2・43倍だった昨年12月の総選挙について、「違憲状態」と判決を出しました。高裁段階では16の判決のうち14が「違憲」と判決、うち二つは選挙を「無効」とまでしていたのに、最高裁が「違憲」に踏み込まなかったのは問題という指摘もありますが、現在の小選挙区制のもとでの「1票の格差」裁判で、最高裁が2009年の総選挙に続き、「違憲状態」と判断したのは決して軽くはありません。現行小選挙区制が投票価値の平等のうえで憲法に照らし重大な欠陥を持つことは明らかであり、選挙制度の抜本改革は不可欠です。

小選挙区制では改善せぬ

 日本国憲法で「国権の最高機関」と位置づけられる国会は、「全国民を代表する選挙された議員」で組織することになっています。憲法前文の冒頭で「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」と定められているように、国民が主権者としての意思を国政に反映させるには、国会議員が「正当」な選挙で選ばれることが求められます。

 「1人1票」を原則とする投票価値の平等は、憲法が定める「法の下の平等」に照らしてももっとも大切なものです。最大格差が2倍を超え、ある人の1票は他の人の0・5票分以下の価値しかないという状態は、民主主義のうえであってはならない事態です。投票価値の平等は最優先で追求されなければならない課題です。

 「1票の格差」の問題は、1990年代に現在の小選挙区制が導入される以前の中選挙区制の時代にもたびたび問題になり、最高裁が「違憲状態」や「違憲」を判決したこともあります。小選挙区制の導入はその是正を口実の一つにしたものでしたが、得票によって議席を配分する比例代表とは違い、全国を300の選挙区に細分化し、1選挙区から1人の議員を選ぶ小選挙区制では格差が解消しないことは、当時から日本共産党などが指摘していたことです。

 実際、小選挙区制導入後の総選挙では、どの選挙でも最大格差が2倍を超し、「1人1票」の原則の実現とは程遠いことが明らかになりました。最初のうちは最高裁も憲法違反とはしませんでしたが、格差が2・30倍だった09年総選挙で「違憲状態」を判決。昨年の総選挙についても「違憲状態」と判決したのです。小選挙区制の重大な欠陥は明らかであり、選挙制度の抜本改正は避けられません。

 小選挙区制導入いらい過去6回の総選挙を見れば、「1票の格差」にとどまらず、第1党が4割台の得票で7、8割もの議席を独占する不公正さや、議席に結びつかない「死に票」の大量発生など小選挙区制の弊害は明らかです。投票価値の平等からも、民意が議席に正しく反映するためにも、小選挙区制は直ちに廃止すべきです。

比例代表への根本転換を

 自民党など一部には今回の最高裁判決が「違憲」にまで踏みこまなかったことを口実に、抜本改正を遅らせる声があります。しかし、それこそ選挙制度を決める立法府の自殺行為になりかねません。抜本改革は待ったなしです。

 小選挙区制は廃止し、得票に応じて議席を配分する比例代表制に選挙制度を抜本改革することが不可欠です。小選挙区制を温存し、比例定数を削減するなど論外です。


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