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2013年10月31日(木)

米国の無人機攻撃 畑で母は突然殺された

パキスタン人遺族 米議会で会見

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 【ワシントン=島田峰隆】米国がテロ対策を理由に国外で続けている無人機攻撃で家族を殺害されたパキスタン人親子が29日、米議会内で会見し、体験を語りました。親子は、無人機攻撃が罪のない民間人の命を奪っていると告発し、オバマ政権に対し無人機攻撃を直ちに停止するよう求めました。


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(写真)会見するラフィク・ウル・レマンさん(左)、ナビラさん(左から3人目)、ズバイル君(同4人目)、29日、ワシントン(島田峰隆撮影)

 会見は、英国の人権団体「レプリーブ(刑執行の猶予)」が組織しました。会見には5人の米下院議員が同席。同団体によると、米国の国会議員が無人機攻撃の被害者から直接話を聞くのは初めてです。

 会見したのは、ラフィク・ウル・レマンさんと、その息子のズバイル君(13)と娘のナビラさん(9)。2012年10月にパキスタン北西部の北ワジリスタン地区で米国の無人機攻撃によりレマンさんの母親のモミナ・ビビさんが亡くなりました。ビビさんは畑作業をしているところを突然、無人機に攻撃されました。そばにいたズバイル君とナビラさんも負傷しました。

 レマンさんは「攻撃以来、一家の生活は破壊され、失われた」と強調。負傷したズバイル君の手術費用を用意するために土地を売ったり、親戚や近所の知り合いに借金を重ねたりした経験を紹介し、米政府からもパキスタン政府からも補償がないことを批判しました。

 「私の地区に住んでいる人は、みんな母のように普通の人だ。そういう人たちが殺されている。私たちにも人権を保障してほしい。無差別の殺害はやめてほしい」と語り、攻撃の停止を訴えました。

 レプリーブのジェニファー・ギブソン氏は「レマンさん一家の例は孤立した出来事ではない。無人機が飛ぶもとで子どもたちは、次は自分が攻撃されるのではと恐怖の中で生きている」と指摘しました。

 会見に同席したアラン・グレイソン下院議員(民主党)は「初めて話を聞く機会を持てたことに感謝している。罪のない人たちが亡くなっていることは受け入れられない。無人機攻撃は逆効果であり、もっと良い方法があるはずだ」と語りました。


 無人機攻撃 米軍や米中央情報局(CIA)が国際テロ組織アルカイダの幹部殺害を目的として実施しています。地上の誘導施設から遠隔操作で攻撃。米側は人的被害を避ける一方、女性や子どもを含む多くの民間人を誤爆、巻き添えにしています。


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