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2013年10月30日(水)

きょうの潮流

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 国鉄時代から現場を取材してきた先輩の記者が「この問題は深刻だ」と嘆いていました。JR北海道のことを聞いたときです▼大量のレール異常を放置し、脱線事故や車両火災を引き起こしたJR北。こんどは、9月の異常発覚後に行った緊急点検で、約2900カ所ある線路の切り替え部分を調べていなかったことがわかりました。おざなりな対応と安全意識が透けて見えます▼この問題の背景には、1987年の国鉄分割・民営化があるといわれます。大幅に人員を減らしつづけ、技術の継承が困難になっていること。利益優先で安全対策を置き去りにしてきたこと。さらに業務の一部を外注していることが要因にあげられています▼民営化によって変質した日本の鉄道。先輩記者はそれを認めたうえで、現場の雰囲気の様変わりを強調しました。「以前は国労や建交労などの労働者が安全運行についてどんどん意見を出し、職場単位で労使協議もできていた。いまは物を言う労働者が少なくなり、物が言えなくなっている」▼専門の大学教授も本紙で、ぎすぎすした人間関係や社員のモラル低下にふれながら、「いまJR北海道では労使で安全について語る場がありません」と指摘しています▼民営化後の問題は他のJR各社も抱えています。大勢の命を運び、人やモノをつなぐ鉄道。リニアや豪華列車に血道をあげている場合ではないでしょう。国もJR任せにせず、安全輸送をみずからの使命とする公共交通の再生に責任を果たすときです。


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