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2013年10月28日(月)

難病患者医療助成

厚労省案 受診抑制懸念

負担限度額が大幅増

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 厚生労働省による難病患者の医療費助成の新たな制度案に対し、当事者らは反対の声を上げています。

 「難病患者にとって致命的に重い負担です」。作家で自己免疫疾患系の難病患者、大野更紗(さらさ)さん(29)はこう強調します。

 新案は、自己負担割合を3割から2割に引き下げる一方、負担限度額を現行より大幅に引き上げるもの。70歳以上の高齢者の高額療養費制度を参考にしています。重症患者の場合、現在無料から最大で月額4万4400円、本人が生計中心者で所得税非課税の場合、月額1125円から10倍以上の1万2000円にもなります。(表)

 これに対し日本難病・疾病団体協議会(JPA)の水谷幸司事務局長は「難病患者と高齢者では生活面でさまざまな違いがある。高齢者の医療費負担を参考にすべきではない」と批判します。

 現行の医療費助成の対象となっている56疾患全体の平均発症年齢は41歳(厚労省資料)。現役世代です。家計を支え、将来に備えるために働きながら治療します。身体障害者手帳の取得も障害年金を受けるのも困難です。

 大野さんは24歳で発症。難病の治療のための医療費だけでなく、薬の副作用による合併症の負担も。こちらは医療費助成の対象外です。

 「難病はいつ、何歳で発症するかわからない。発症後は、生涯を通して高額な医療費を負担し続けなければならないのです」と大野さん。「新案が現実化すれば、重い医療費負担に耐えかねて受診を控える人や心中、自殺を考える人が続出するのではないか」と懸念します。

 同省は、医療費助成の対象疾患を拡大することも検討。現在は対象外の「再発性多発軟骨炎(RP)患者会」の加藤志穂事務局長は「対象疾患の大幅拡大は、希少疾患患者団体にとって期待が大きい」と話します。

 一方、新案については「不安を感じています。難病患者には収入面での支援が著しく不足している現状を踏まえて制度設計してほしい」と強調します。

表:難病医療費助成の患者自己負担限度額比較

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