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2013年10月10日(木)

秘密保護法案Q&A 4

公務員を萎縮させる

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 公務員には一般的に守秘義務がありますが、国民への情報公開も責務では?

 現行の国家公務員法では、職務上知ることのできた「秘密」を漏らすと、1年以下の懲役か50万円以下の罰金ですが、「秘密保護法案」では「故意の漏えい行為」を最高懲役10年に厳罰化し、過失や未遂、共謀、教唆、扇動まで処罰対象にしています。

執行猶予つかず

 懲役10年に執行猶予はつきません。情報公開に対する公務員の姿勢をいっそう萎縮させる可能性は大です。

 行政機関の保有する情報は本来、誰のものでしょうか。憲法の国民主権の原則、「知る権利」によれば、行政機関の長の恣意(しい)的な運用にゆだねていいものではありません。日本弁護士連合会(日弁連)の意見書が指摘するように「そもそも国政の重要情報は、主権者たる国民のもの」だからです。

 行政機関では国家公務員約64万人、地方公務員約277万人が働いています(2013年現在、総務省資料)。「秘密保護法案」に記された行政機関には、内閣府と防衛省、外務省、警察庁、宮内庁など全省庁、会計検査院、各種の委員会、試験研究機関、検査検定機関、文教研修施設、医療更生施設、矯正収容施設、作業施設、特別の機関などが含まれます。

学問の自由侵す

 各省庁から地方公共団体、民間団体に出向し、逆に民間団体の技術者、労働者が省庁に出向する人事交流もあり、行政機関の関係者だけでも処罰対象者はとめどなく拡大していきます。科学技術が軍需や原発に使われることから、「軍事機密」「テロ活動防止」と称して大学などの研究者に秘密保持義務が課せられ、学問・研究活動の自由が侵害される恐れもあります。

 「秘密保護法案」を準備してきた内閣情報調査室は警察からの出向者が多数です。同法案では警察庁長官が都道府県警の保有する情報提供を求めることができるなど、警察の中央集権化も狙っています。警察の不正も隠される恐れがあります。

 (つづく)

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