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2013年9月12日(木)

主張

オスプレイ拡散化

墜落の危険全国に広げるだけ

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 防衛省が10月に滋賀県の陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場で行う日米共同訓練と、高知県の高知駐屯地を拠点に高知県沖で行う統合防災訓練に、それぞれ米海兵隊普天間基地配備の最新鋭輸送機オスプレイを参加させると発表しました。国内での共同訓練にオスプレイが参加するのは初めてです。

 二つの訓練へのオスプレイ参加はいずれも訓練の全国拡散に向けた布石とみられています。本土での訓練へのオスプレイの参加は騒音と墜落の危険を全国に広げるとともに、オスプレイの沖縄配備を固定化・恒久化させる危険をもつものです。

沖縄の痛み変わらない

 墜落事故をくりかえしてきたオスプレイが飛行を続ける限り、沖縄でも本土でも日本国民の安全は保障されません。先月26日に米ネバダ州で起きたオスプレイの事実上の墜落事故はあらためてその危険性を証明しました。事故機は沖縄配備のオスプレイと同型です。沖縄県民はもちろん本土の住民が不安を募らせるのは当然です。

 ネバダでの事故はオスプレイが地面にたたきつけられるように「ハードランディング」(硬着陸)し、乗員が外に飛び出した直後に炎上したものです。アメリカの専門家も「墜落と大差ない」とのべています。小野寺五典防衛相もこの事故がアメリカでもっとも重大な事故である「クラスA」に分類されていることを認めています。事故は、オスプレイは離着陸時に制御不能に陥りやすいとのこれまでの指摘を裏付けました。少なくとも事故原因が判明するまで飛行を中止するのは当然です。

 10月予定される本土での訓練へのオスプレイ参加で見過ごせないのは、小野寺防衛相が沖縄の「負担軽減」のためだとのべていることです。まさに県民の苦しみを理解しない言い分というほかありません。普天間基地は20機以上のオスプレイがひしめく拠点基地です。普天間基地から沖縄以外の地域にでかけて飛行訓練したとしても、訓練が終わればまた沖縄に戻ります。飛行訓練の拡散では沖縄の痛みをなくせません。オスプレイを沖縄に配備しながら「負担軽減」というのはごまかしです。墜落の危険に不安を募らせている県民を愚弄(ぐろう)するものです。

 オスプレイの訓練の全国への拡散は、いまでも米軍機の低空飛行訓練で苦しむ本土の住民をさらに苦しめ、墜落の危険さえ押し付けることでも重大です。敵のレーダーをかいくぐり、兵士や物資を輸送するのがオスプレイの任務です。そのための超低空飛行訓練です。山あい特有の風で墜落する危険を伴います。オスプレイの飛行訓練を全国に拡散することに多くの自治体と住民が強く反対しているのは当然です。沖縄の「基地負担の軽減」を口実に、全国への拡散をはかることは許されません。

配備撤回要求に応えよ

 沖縄県民と本土住民の命と安全をオスプレイから守るには、沖縄からオスプレイを一掃するしかありません。沖縄では昨年9月の10万人規模の県民大会に続き、県下41市町村の首長や議会議長などが今年1月に政府に沖縄配備の撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、国内移設反対の「建白書」をだしました。

 憲法の平和的生存権にもとづく県民の願いに正面から応えることこそ、政府の務めです。


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