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2013年9月2日(月)

シリア軍事介入に疑問や批判の声

「戦争拡大の引き金に」

欧州のメディア・有識者

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 シリアに対する米仏の軍事介入方針について、欧州の有力メディアや有識者の間では疑問や懸念、批判が広がっています。

 (パリ=浅田信幸)


 軍事介入の理由としてあげられているのは、国際法で禁止された化学兵器をアサド政権側が使用したから「罰する」必要があるということで、アサド政権の打倒は目的とされていないといわれます。

 ただ誰が化学兵器を使用したのかという点では、米仏の断定的主張に対して、なお真実究明を求める声は弱まっていません。英紙フィナンシャル・タイムズ8月30日付の社説が「アサド政権の犯罪性を証拠立てる努力が必要だ」と指摘したのはその一例です。

 同社説はさらに「軍事行動の法的根拠」と「戦略的目標」を明確にすべきだと主張。国連を迂回(うかい)する「人道的介入」論の国際法上の根拠を求めるとともに、「短期間の強烈な」爆撃の達成目標は何なのかと疑問を投げかけました。その上で、「シリアが反撃するか誤った標的を爆撃すれば、戦争拡大の引き金を引きかねない」と懸念を表明しました。

 また30日付仏紙ルモンドは「シリア介入をめぐる激論」を特集。その中で仏国際関係研究所(IFRI)の中東問題専門家ボシャール氏は「合法性」とともに「効果性」の問題を提起し、「限定作戦」がシリア国内の力関係を転換させることにならず、むしろ「すでに争乱状態にあるこの地域で、より大規模な国際的危機を招く歯車を始動させる」と指摘しました。

 29日付仏紙フィガロには、10年前のイラク戦争に外相として反対したドビルパン元仏首相が登場。武力介入について次のように痛烈に批判しました。

 「罰する? それは軍ではなく国際法廷が果たすべきことだ。われわれの良心を安堵(あんど)させる? 市民の状況をさらに悪化させる危険を伴ってそうするのは破廉恥であろう。体制の変革か? それはわれわれが決めることではない。信頼できる代替勢力が存在しないだけになおさらだ」

 「西側の中東戦略は武力の幻想に基づく袋小路にはまっている」


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