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2013年8月21日(水)

福島第1 高濃度汚染水300トン

タンクからの漏れ過去最悪

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 福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で貯留タンクから高濃度の放射性物質を含む汚染水が漏れ出している問題で、東京電力は20日、汚染水の量が推計300トンに達すると発表しました。漏れた汚染水には全部で24兆ベクレルの放射性物質が含まれています。タンクからの汚染水の漏えいは過去に4件発覚していますが、今回は最悪の規模です。


写真

(写真)福島第1原発内の汚染水貯留タンク

 周辺の状況から、漏えい汚染水のほとんどは、タンクの周囲につくられた堰(せき)の排水弁外側の土壌に染み込んだとみられます。漏えいのペースが遅いことから東電は、長期間にわたって漏えいが続いていた可能性を認めました。

 漏えいがあったタンクは、護岸から約500メートル離れた26基のタンク群の一つで、直径12メートル、高さ11メートルの円筒形です。タービン建屋などにたまった高濃度の放射能汚染水を処理する過程で出た汚染水をためるもの。

 当初ほぼ満水だったタンクの水位が、20日までに約3メートル下がっていることが確認されたことから、東電は漏えい量を300トンと見積もりました。タンクは、溶接せずにボルトで締めて接合するタイプのもので、同型のタンクは350基あります。

 東電は、排水弁を常時開けたままにしており、毎日2回の巡回で点検していましたが、18日午後5時の時点では、異常は見つけられませんでした。当初、東電は排水弁に漏えいセンサーがあると説明していましたが、実際にはないことを明らかにしました。

 汚染水からは、ベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり8000万ベクレルを検出。水面直上での放射線量は毎時100ミリシーベルトを超えました。縦横3メートルの水たまりに加え、縦0・5メートル、横6メートル、深さ1センチメートルの水たまりも見つかりました。

 これまでに数トンの汚染水を回収。東電は、当該タンクから汚染水を別のタンクに移送する準備を進めるとともに、降雨によって汚染水の拡散を防ぐために、土嚢(どのう)のせきの補強作業を行っています。


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