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2013年8月20日(火)

主張

米軍ヘリ訓練再開

基地国家の異常 根本から正せ

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 沖縄の米空軍嘉手納基地所属のヘリHH60が5日、沖縄本島北部の演習場キャンプ・ハンセン内に墜落・炎上した事故から2週間たちました。演習場内とはいえ民家からは約2キロしか離れておらず、墜落現場のすぐそばには宜野座村の水源ダムもあり、事故は住民の不安と怒りを呼び起こしました。

 事故直後は米軍も日本政府も同型機の訓練を中止するといったのに、訓練はすでに再開されました。米海兵隊オスプレイの沖縄への追加配備も短期間の中断だけで強行されました。基地国家の異常を根本から正すことが、命と暮らしを守るうえでますます不可欠です。

命の危険と隣りあわせで

 住民が生活する市街地のつい目と鼻の先で起きた墜落事故は、危険と隣りあわせの生活を強いられていることの異常さを浮き彫りにしたものです。沖縄は面積では全国のわずか0・6%しかないのに、米軍専用基地の74%が集中しています。墜落事故が起きたキャンプ・ハンセンも、沖縄本島の中部から北部にかけて広がる広大な米軍演習場のひとつです。事故を起こしたヘリが所属する嘉手納基地は、ベトナム侵略戦争では出撃基地にもなった巨大な基地です。

 沖縄の空には、空軍だけでなく海兵隊など多くの米軍機がわがもの顔で飛び回り、住民はつねに騒音などの被害や墜落の危険に脅かされています。まさに「独立国」とはいえない異常な実態です。

 沖縄の施政権が日本に返還された1972年からだけでも、沖縄での米軍機の墜落事故は、今回を含め45件にのぼります。最近でも2004年8月には宜野湾市で米海兵隊普天間基地所属のヘリが沖縄国際大学構内に墜落、夏休み中でなければ大惨事になるところでした。事故が基地内の場合は、日本側は現場に立ち入ることさえできません。事故原因の究明も責任の追及もできないまま、つねに生命が脅かされ続けるというのはまったく異常であり無法です。

 見過ごせないのは、墜落事故が起きればその直後だけは「原因究明」などが約束されても、短期間で反故(ほご)にされ、以前と同じように訓練が再開される事態が繰り返されてきたことです。今回もなぜ事故機が墜落したのか、どんな訓練をしていたのかなど何も明らかにされていません。米軍の都合のために住民の生命や安全が後回しにされているのは明らかです。

 米軍だけでなく日米安保条約で基地を提供している日本政府の責任は重大です。今回の事故でも小野寺五典防衛相は、「原因究明までは飛ばさない」と発言していたのに、米側から整備状況などを聞いただけで再開に同意しました。国民の命より米軍を最優先した態度は、日本の政府とさえいえない屈辱的姿勢というほかありません。

基地も安保もない日本を

 米軍は沖縄だけでなく日本全国に基地を置いており、件数では沖縄とは比較にならないものの、墜落事故は各地で起きています。今回、沖縄の普天間基地に合計24機が配備されたオスプレイは、全国に張り巡らされた米軍の訓練ルートなどで飛行します。オスプレイの事故率は高く、全国で墜落事故が起きることも懸念されます。

 沖縄だけでなく全国からの危険な米軍基地撤去が急務であり、そのためには日米安保条約の廃棄に踏み出すことが重要です。


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