2013年8月17日(土)
全当事者へ「最大限自制」
エジプト問題 安保理が呼びかけ
エジプト治安当局によるイスラム主義組織・ムスリム同胞団の座り込み強制排除で多数の死傷者が出ている問題について、国連安全保障理事会は15日(日本時間16日午前)、非公開の緊急会合を開き、全当事者に対し暴力を停止し、最大限に自制するよう呼びかけました。
ニューヨークからの報道によると、議長国アルゼンチンのペルセバル大使は会合終了後の記者会見で、「エジプトでの暴力停止と、当事者による最大限の自制が重要だというのが安保理の見解だ」と述べ、エジプトの全当事者に流血の拡大阻止を訴えました。
今回の事態について安保理が協議するのは初めて。会合は英国、フランス、オーストラリアの要請で招集され、エリアソン副事務総長が情勢報告を行いました。ペルセバル大使は、安保理メンバー国の一致した声として「暴力を停止し、国民和解を進める必要性」を強調しました。
潘基文(パンギムン)事務総長は14日、治安当局によるモルシ前大統領支持派の強制排除を「最も強い言葉で非難する」との声明を出しています。
国連では、治安当局による弾圧に加え、各地でモルシ氏の支持母体・ムスリム同胞団によるとみられる警察署や政府施設あるいはキリスト教一派のコプト教会への襲撃が起きていることや、シナイ半島の治安悪化で、エジプト情勢のいっそうの混迷を懸念する声が強まっています。