2013年8月14日(水)
印パ銃撃戦 相互に非難
カシミール地方の軍衝突続く
「和平協議守れ」の声も
【ニューデリー=安川崇】インドとパキスタンが領有権を争うカシミール地方で両軍の衝突が続き、双方が非難を強めています。市民からは和平協議への悪影響を懸念する声が出ています。
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きっかけは6日、実効支配線(LOC)のインド側で兵士5人が殺害されたと同国政府が抗議し、パキスタンは自軍の関与を否定。その後も連日、LOC付近で交戦があり、パキスタン政府は12日、民間人1人が死亡したとしています。
両国は9月の国連総会に合わせ、米国で首相会談を開催する方向で調整中。しかしインドの元外交官や元軍高官など40人は9日、「相手がテロを行使する中で会談すべきではない」とする声明を発表しました。
クルシード印外相も兵士5人の死亡について「(パキスタン政府が)責任を認めようとしない」と批判的な姿勢です。
パキスタン側では、最大の人口を持つパンジャブ州の議会が12日、「インド軍による攻撃は国際法違反だ」とする非難決議を全会一致で採択。政府は近く、内閣国防委員会を開いて対応を協議するといいます。
パキスタンのエクスプレス・トリビューン紙は同日の社説で「非難の応酬が続くと、和平協議に影響する恐れがある。それは両国にとって悲劇だ」と警告。両国の退役軍人ら約150人でつくる印パ兵士の平和イニシアチブ(IPSI)インド支部は11日、「対話を続けることが和平への唯一の選択肢だ」と呼び掛けました。