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2013年8月9日(金)

最低賃金増額 政治の責任で

日本共産党国会議員団 公約実現へ行動

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 「政治が最低賃金の大幅引き上げを決断し、中小企業支援と一体で実行を」―2013年度の最低賃金について7日、安倍首相あてに大幅引き上げを申し入れた日本共産党国会議員団。参院選で躍進した議員団として、公約実現に向けた行動です。(深山直人)


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(写真)最賃引き上げに関して菅義偉官房長官(右)に申し入れる(左へ)志位和夫委員長、小池晃副委員長、穀田恵二国対委員長=7日、国会内

「目安14円」の答申

物価上昇で実質低下も

 「レジ打ち/パート/時給710円」

 奈良市内の配送会社で働く40代の女性は転職先を探していますが、ハローワークなどで求人情報を見るとため息ばかりです。

 「夫と私の収入を合わせても年収400万円ちょっと。子ども2人を大学に行かせてあげたいけど苦しい」

 奈良県の最低賃金は699円。フルタイムで働いても月収11万円ほどにしかなりません。中央最低賃金審議会の小委員会は6日、「引き上げ目安」として全国平均14円を示しました。しかし、これでは安倍内閣が目指す物価上昇2%にも満たず、円安などによる生活必需品の値上がりのなかで実質低下となる恐れさえあります。

 地域間格差も、全国最高の東京の「引き上げ目安」が19円に対して全国最低の高知が10円。198円の差が207円に開くなど地域間格差がさらに広がることになります。

低すぎる日本の最賃

働く貧困層増加の原因

 日本の最賃は低すぎるのが現実です。仮に今回、14円上がっても時給763円。フルタイムで2000時間働いても年収150万円にもならず、主要国のなかで最低クラス(グラフ上)です。

 党議員団は、「働いても働いても貧困から抜け出せない、働く貧困層(ワーキングプア)が増え続けてきた最大の原因がここにあります」と指摘。最賃の引き上げは、「賃金全体の底上げにつながるとともに、労働者の4割近くにもなっている非正規労働者の賃上げにも直結するなど、『デフレ不況』打開のためにも決定的に重要です」と強調しています。

 時給1000円以上は全労連も連合も一致して求めています。日本共産党は「最低賃金を労働者の平均所得の5割まで引き上げることを目標に、当面、時給1000円以上に引き上げ、全国一律の制度にすることを要求します」(2007年、志位和夫委員長の代表質問)と主張してきました。

 安倍晋三首相自身、「デフレ不況」打開のために賃上げの必要性を認めざるをえなくなり、日本共産党の提起も受けて経済界に要請。最低賃金についても引き上げる必要性を繰り返し表明してきており、その言明を実行するのかどうかが問われます。

「1000円」達成は安倍内閣の責務

中小企業支援と一体に

 12年6月に閣議決定された「新成長戦略」では、20年までに「全国平均1000円」まで引き上げることが明記されました。

 これは「政労使合意」で20年までに「全国平均1000円をめざす」(「雇用戦略対話」第4回会合、10年)と確認したのを受けたもので、安倍内閣もこの目標を達成すべき責務を負っています。

 申し入れた志位委員長は、「低額の目安に縛られることなく、政府が大幅引き上げを決断してイニシアチブを発揮して取り組むべきです」と述べ、経団連をはじめ経済団体に強く働きかけることを求めました。

 経団連は政労使合意の当事者であり、「1000円目標」に責任を負っています。大企業は260兆円に上る巨額の内部留保を抱えています。その一部を活用するだけで下請け単価の引き上げなど最賃の大幅引き上げを実行することは十分可能です。

 党国会議員団の申し入れで強調したもう一つが、中小企業への賃金助成や社会保険料の事業主負担の軽減など抜本的な支援策を取ることです。

 この問題では大門実紀史参院議員が、大幅引き上げを実現したアメリカなどの取り組みを紹介し、「景気対策として大規模、大胆にやることが重要だ」と求めたのに対し、安倍首相は「重要な指摘があった。われわれも研究しなければならない」と答弁しています。(2月20日、予算委)

 アメリカは07年から3年間で最賃を41%も引き上げ。同時に中小企業に8800億円(5年間)の減税措置を実施しました。

 03年から3年間で11・4%引き上げたフランスは、中小企業の社会保険料の事業主負担を2兆2800億円も軽減しています。

 一方、日本の支援策は、3年間で111・7億円(11〜13年度)。しかも年々削減されています。(グラフ下)

 日本の財界は、“最賃引き上げで経営が圧迫される”と反対していますが、全米1000社の経営者が署名した最賃引き上げを支持する声明(07年2月)はこう書いています。

 「賃金の引き上げは、消費者の購買力を高め、労働者の移動を減らし、生産性を高め、製品の品質を高め、消費者の満足度を高め、会社の評判を高め、ビジネスにも利益となる」

 前出の女性は語りました。「躍進した共産党がさっそく最賃の引き上げに取り組んでくれてうれしい。期待しています」

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