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2013年8月6日(火)

きょうの潮流

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 冬季五輪の開催地となったカナダのバンクーバーは、豊かな自然に囲まれます。多民族がくらすこの地で一昨年から昨年にかけて被爆をテーマにした写真展が開かれました。写真家、石内都さんの「ひろしま」です▼花柄のワンピース、水玉のブラウス、仕立てた薄青の背広、ピンクの刺繍(ししゅう)がある防空頭巾、壊れたメガネ、紐(ひも)のない革靴…。展示された被爆者の遺品からは、むごく奪われた命が静かに語りかけてきます▼美しく撮られた「衣」の前でたたずみ、無言の声に耳を傾ける人びと。それを記録した映画が岩波ホールで上映中です。米国人のリンダ・ホーグランド監督は「いまは亡き人々が生きていた日常を感じることのほうが、より真実に迫る力を持つこともある」▼この世に人間が地獄をつくり出してから、68年目の夏がめぐってきました。あの日を忘れないために何をどう伝えていくか。今年2月には、悲惨な体験を訴えてきた「原爆乙女」の山岡ミチコさんが死去。貴重な語り部も高齢です▼広島平和記念資料館は今後をみすえ、展示方針や内容を見直しています。基本とするのは被爆の実相。人間の被害に重点をおいて、原爆の残虐性や非人道性を示す計画です▼今夏には人類の記憶遺産でもある世界ヒバクシャ展と、世界遺産の共同イベントが京都から始まります。「自分のやり方で向き合えばいい」と、新しい切り口で被爆の実態を写し撮った石内さん。世界から核兵器がなくなるまで、伝えていく側の努力も続いていきます。


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