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2013年8月6日(火)

共産党躍進の衝撃 比例515万票

比例得票率13.08%を獲得 熊本・水俣市

悩み聞き 努力する政党

水俣患者に寄り添う姿 信頼広げる

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 先の参院選で日本共産党は全自治体の約3割に及ぶ550の自治体で比例得票率が10%を超えました。熊本県水俣市もその一つ。県全体では5・84%でしたが、同市は13・08%を獲得したのです。2010年参院選では7・8%、昨年総選挙では10・1%と着実に地歩を固めてきた成果でもあります。周辺の自治体も、党員や議員らの奮闘が得票率の増加に結びついています。水俣・芦北(あしきた)地方を訪ねました。(竹原東吾)


仁比さんは「体の一部」

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(写真)支持依頼に奮闘した吉海さん=7月27日、熊本県水俣市

 「仁比さんは患者の体の一部です」。水俣病不知火患者会の吉海ヤエ子さん(70)は比例候補の一人として大奮闘した仁比聡平さんへの信頼をこう表現し、返り咲きを喜びました。

救済へ力尽くす

 取材中、こむらがえり(水俣病の症状)を起こした手の甲をさすりながら、ヤエ子さんは「こんなに(支持の)電話をしたのは初めて。燃えつくした」。

 かつて、ミカン農家に嫁いでいたヤエ子さんは、足の踏ん張りがきかず木から落ちる、視野狭窄(きょうさく)が原因で木の枝が目に突き刺さる―。水俣病と気づかない症状に苦しんできました。

 患者会の一人として上京し、環境大臣や国会議員に水俣病の被害を打ち明け、救済を訴えたヤエ子さん。涙を流しながら話を聞き、「よく頑張ったね」と肩をたたいてくれたのが仁比さんでした。以後、ヤエ子さんが上京するたびに、必ず姿をみせては、「頑張れ!」。

 仁比さんはじめ日本共産党は、水俣市を含む不知火海沿岸で、調査に、懇談にと、とりくみ、患者会の行動を励まし、「すべての患者を救済せよ」の論陣を張り続けました。

 不知火患者会の大石利生会長(73)は共産党の躍進についてこう話します。「誠実に私たちの悩みを聞き、一生懸命努力してくれた政党だと評価しています。お世話になった私たち患者・被害者団体の一人ひとりがそういう気持ちになったのではないでしょうか。当確が出た瞬間に、『また仁比さんの部屋を使うことができる』と思いました。まだまだ救済運動は続きます。被害者は全国にいます。お力添えをいただきたい」

堂々「原発ゼロ」

 再稼働が狙われる九州電力川内(せんだい)原発から約40キロに位置するのが水俣市です。

 「とことん原発に反対し、きちんとモノが言える党でないとダメだ」。そう語るのは、原発ゼロをめざす水俣の会・元村義晴代表(75)です。「無党派」を自任する元村さんは、選挙区では別の党の候補を推しましたが、比例代表では「共産党」への投票を、家族や近所に呼びかけ、街頭から公然と初めて訴えました。

 福島原発事故後、福島県に3度出向きました。飯舘村など暮らしも家族もバラバラの状況を見るにつけ、“原発事故で自治体も文化もなくなってしまう。川内原発で何かがあれば水俣に住めなくなる”と危機感を強めました。「原発は徐々になくせばよいと思っていたが、あんな危険なものは一気になくさないといけないと変わった。『すぐにゼロ』と言っていたのは共産党しかない。自民党の暴走にきちんと文句を言える党は、共産党しかない」

共産党で「町が変わった」

住民、全戸ビラ配布に驚き

坂本町議 町内7000世帯 一軒一軒対話

芦北町

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(写真)黒岩地区、上原地区の人たちと語り合う坂本町議(左から3人目)=7月29日、熊本県芦北町

 水俣市から北へ連なる津奈木、芦北の二つの町では、比例得票率が今回6・7%(前回参院選2・8%)、6・9%(同3・9%)に、それぞれ伸ばしました。

 10年3月に町政史上初の議席を獲得した芦北町。赤い「日本共産党」の文字を張ったスクーターにまたがって、毎議会ごと1カ月かけて地域政治新聞を配布してきたのが、坂本登町議(53)です。

 参院選中、坂本町議に、匿名の手紙が届きました。〈芦北も共産党の貴方(あなた)が議会議員になってから変わったと思います。議会にも関心を持ち貴方に投票してよかったと思っています…国政選挙でも共産党に投票したいと考えています〉

 共産党が来れば、鍵が閉められ、テレビの音が消され、居留守を使われるような政治風土の町だったといいます。「こんにちは」と町民の手を握り、肩をたたき、町内約7000世帯一軒一軒との対話を心がけて3年半―。

 かつて自民党を応援し、今回共産党に入れた女性(70)は「人を知るから(票を)入れる。知らんば、入れん。地元の共産党の人が信頼される人でないと入れん」とキッパリ。その夫(74)も「共産党は人間ができている。悪か人をみつけようと思っても見つからない。全国そうじゃないか」。

 坂本町議の訪問や懇談、水俣病救済活動を通じて山間部の黒岩と上原地区では昨年、20人を超す党員を迎えました。今回の参院選で新しい党員らが1軒、2軒と点在する家屋に1軒の隙間なく、1100枚の党ビラを配布しました。住民からは、「今度は、あたどんが来たな(あなたたちが来たか)…」。

 前回町議選で出た個人票の1049票に比べ、今回の比例票は645票にとどまりました。坂本町議は「まだ道半ば。自分の名前より、共産党の名前のほうが売れているはず。ひっくり返さないといけない」。意気軒高です。

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