2013年8月1日(木)
パレスチナ・イスラエル 中東和平交渉が再開
9カ月以内の合意めざす
【ニューヘイブン(米コネティカット州)=島田峰隆】ケリー米国務長官は30日、ワシントンで会見し、イスラエルとパレスチナの中東和平交渉が約3年ぶりに再開したことを発表しました。同長官は「9カ月以内に最終地位交渉の合意を達成したい」と述べましたが、イスラエルが国際法違反の入植地建設に固執するなかで困難が予想されます。
米国が仲介
会見にはイスラエルのリブニ法相とパレスチナの中東和平交渉責任者アリカット氏が同席。両氏はケリー長官の仲介で29、30日の両日、米国務省で直接協議を行い、交渉議題などを詰めました。
ケリー長官によると、双方は今後2週間以内にイスラエルかパレスチナ自治区で次回協議を開き正式交渉に入ります。同長官は「2国家共存」を目指して「あらゆる問題を交渉のテーブルにのせる」と強調しましたが、「道のりが困難なことは知っている」とも述べました。
アリカット氏は、交渉再開を歓迎し「パレスチナ人民が独立し主権を持った独自の国を持つ時だ」と指摘。リブニ氏は「新しい機会を無駄にしてはいけない」などと語りましたが、交渉進展にとって最大の障害の一つである占領地での入植地拡大の問題には触れませんでした。
中東和平交渉は2010年にも米国の仲介で行われました。しかしイスラエル側が入植地建設の凍結を延長せず、拡大を進めたためパレスチナ側が反発し、短期間で中断しました。