2013年7月24日(水)
米兵士のストレス障害
子どもに悪い影響
米研究所
【ワシントン=島田峰隆】子どもの健康問題を扱う米国の研究所「チャイルド・トレンズ」は22日、現役兵士を親に持つ18歳未満の子どもが全米で200万人に上り、戦闘体験が原因で親が心的外傷後ストレス障害(PTSD)などになった場合に子どもをその悪影響から守る必要があるとする報告書を発表しました。
200万人の子どものうち50万人は6歳未満です。報告書によるとベトナム戦争中は子どもを持つ現役兵士の割合は15%にすぎませんでしたが、今では現役兵士の47%が子どもを持ち、そのうち14%はひとり親だといいます。
報告書は、イラクやアフガニスタンでの戦闘経験を持つ兵士の約18%が激しいストレスや不安などPTSDの症状を示しているとし、「深刻な精神疾患や心的外傷を持つ親と住むと、成長過程にある子どもも悪い影響を受ける」と強調しました。兵役のため親子が長期間引き離され子どもが孤立することなども問題点として挙げています。
報告書をまとめたデービッド・マーフィー氏は、子どもへの影響はすぐには出ないものの「成長したときに感情が抑えられなかったり社会生活に支障が出たりする」と語り、現役兵士の親への支援を強めるよう呼び掛けました。
心的外傷後ストレス障害(PTSD) 大災害や戦争、犯罪など悲惨な体験による心の後遺症。不眠、幻覚、頭痛、目の痛み、めまいなどさまざまな症状を引き起こします。