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2013年7月22日(月)

英連立与党 「核兵器更新」で対立

野党内も議論さまざま

反核団体「廃棄を」

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 英国の核兵器システム「トライデント」の更新をめぐり、連立与党内で議論が巻き起こっています。最大与党・保守党は現状維持での更新、第2党の自由民主党は縮小をそれぞれ主張。反核団体は廃棄を求めており、最大野党・労働党の対応が問われています。

 議論のきっかけは政府が16日に発表した「トライデント代替再検討」に関する報告です。英軍は現在、核弾道ミサイル「トライデント」を4隻の原子力潜水艦に配備し、少なくとも1隻を常に発射態勢に置いています。

 原潜は2020年代に就役期限を迎え、更新(設計・建造・試験)には17年を要することから、時間的余裕がなくなっています。連立政府は次回総選挙後の16年に決定する方針です。

 今回の報告は「抑止力」維持のため現在と同じレベルでの更新が最善だとする一方、原潜の数を減らすなどの選択肢にも言及。連立政府内の立場の相違を反映しています。

 報告をめぐり縮小派の自民党は「冷戦時代と同じ態勢は不要」(クレッグ党首・副首相)と主張。保守党はイランの核開発などをあげて自民党の態度を「無責任」(ハモンド国防相)だと論難しています。

 反核団体の核軍縮連合(CND)は政府報告について、トライデント廃棄という選択肢を検討していないのは根本的欠陥だと批判。“廃棄は核不拡散条約(NPT)の義務の履行だ”“国家財政上も節約となる”と主張しています。

 最大野党・労働党は与党時代の06年、ブレア政権が現態勢での更新を容認。10年の前回総選挙で下野後に党首となったミリバンド氏は“政府報告の発表後に再検討する”意向を表明しています。党内には廃棄論も含めさまざまな議論があり、党としての検討と態度表明が問われています。

 更新問題にはスコットランド独立問題もからんでいます。同地方は核ミサイルを搭載する原潜の基地を抱え、独立の是非を問う住民投票を来年秋に控えています。

 保守、労働、自民の英主要3党は独立に反対。スコットランド自治政府を担うスコットランド民族党は、独立が党是で、核兵器撤去を主張しています。

 (小玉純一)


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