2013年7月21日(日)
和平交渉再開へ
パレスチナ・イスラエルが合意
今週にも予備交渉 米長官が発表
【カイロ=小泉大介】中東を訪問中のケリー米国務長官は19日夜、ヨルダンの首都アンマンで記者会見し、パレスチナとイスラエルの和平問題に関し、「(双方が)最終地位交渉の再開に向けた原則で合意した」と発表し、予備交渉が今週にもワシントンで開始されるとの見通しを示しました。約2年10カ月にわたり中断している交渉の再開が現実のものとなるのか、注目される動きが生まれています。
ケリー長官は今年2月の就任以来、6回にわたり中東を訪問し、パレスチナ自治政府のアッバス議長やイスラエルのネタニヤフ首相に対し、再び交渉の席に着くよう強く要請。今回の発表直前までアッバス議長と協議を行っていました。
同長官は会見で原則合意について、「意義深いものであり、歓迎すべき前進への一歩だ」と強調する一方で、「いまだ仕上げの段階にある」と述べ、予備交渉の先行きが予断を許さないものであることも認めました。
また会見では、将来のパレスチナ独立国家の国境線画定について、イスラエルが東エルサレムを含むヨルダン川西岸とガザを占領した第3次中東戦争(1967年)以前の境界を基礎とするのかどうかや、和平交渉中断の原因である占領地でのユダヤ人入植地建設を停止するのかどうかなど、「原則」の具体的中身も示しませんでした。
イスラエルの和平交渉責任者であるリブニ法相が声明で、「(今回の合意は)われわれの将来にとって正しいものだ」「外交的行き詰まりは終わりを告げる」と評価する一方、アッバス議長は同じく声明で「(合意の)詳細はさらに練り上げられなければならない」とけん制しました。
ケリー長官は会見で、ワシントンでの予備交渉では、イスラエル側はリブニ法相が、パレスチナ側は自治政府のアリカット交渉責任者がそれぞれの代表団を率いることを明らかにしました。