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2013年7月16日(火)

筑波研究学園都市の公務員宿舎

廃止見直しへ共産党全力

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 「筑波研究学園都市」(茨城県)の公務員宿舎「7割」を廃止する―。昨年11月、政府が発表した計画に衝撃が走りました。今年1月には研究所職員に、2年以内の退去「通知」が届きました。日本共産党は、研究所職員や家族の不安を受けとめ、廃止計画の見直しを求め奮闘しています。(遠藤寿人)


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(写真)修繕し新しいが廃止対象になった宿舎=茨城県つくば市

 「筑波研究学園都市」は1960年代に始まり、9省庁33の公的研究機関、約2万人の研究者と職員が集まる最大の研究拠点です。

 70年、筑波研究学園都市建設法が施行し、国の責任で、公共施設や住宅施設を一体的に整備することが定められました。当初、7700戸あった公務員宿舎は3800戸に半減。今度の廃止計画で1200戸まで削減されます。「構造改革」による雇用改悪で、正規職員が大幅に減る一方、公務員宿舎に入れない非正規職員が激増。その結果、「空き家」が増大しています。

 廃止計画が発表されると日本共産党つくば市委員会には、「夫が定年間際。急に引っ越しはできない」「安心して研究活動に打ち込めなくなる」「子どもの学区の変更は困る」など多くの戸惑いの声が寄せられました。

 日本共産党は4月30日、塩川鉄也衆院議員と紙智子参院議員(比例候補)が、党つくば市議団、筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会(学研労協)のメンバーと財務省に申し入れし、廃止計画の見直しを迫りました。

 宮本岳志衆院議員は5月30日の科学技術特別委員会で質問。2005年、内閣府が実施した科学技術政策シンポジウムの人材育成に関する意見交換で「(つくば市が)外国人研究者に対する宿泊施設が不十分で世界最低である」などと指摘されていることを取り上げ、「研究に従事する人たちの生活、住居が保障されなければ、すぐれた研究者は集まりません」と批判。若い研究者、非正規の研究者も宿舎に入れるよう改善を求めるとともに、宿舎の廃止問題は、「わが国の科学技術政策にも大きくかかわる問題。普通の公務員宿舎とは同列に論じるわけにはいかない」と再検討を迫りました。

 山本一太内閣府特命担当相(科学技術政策担当)は「科学技術・イノベーション(技術革新)の重要な担い手である独立行政法人等に勤務する研究者の処遇を確保することは重要だ。そこは認識している」と答弁しました。

 研究者が宿舎から「追い出される」一方で、転居先を求める人々の需要で、つくば市の不動産物件は急騰、活況を呈していると報じられています。

 誰のための宿舎廃止か―。改めて問われています。


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