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2013年7月12日(金)

首相「ボーナス7%増」というが

国民「実感ない」と疑問

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 安倍晋三首相は、参議院選挙の応援演説で「多くの企業でボーナスが上がります。7%。これは、あのバブル時代に匹敵する伸び率です」(福島県での第一声)と言って、それを「アベノミクス」の実績として宣伝しています。これを聞いた国民から「そんな実感はない」という疑問の声が寄せられています。

増は自動車とセメントだけ

 安倍首相の発言の根拠は、5月30日に経団連が発表した「2013年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況」の数字です。確かに、経団連の発表数字は昨年に比べて金額で5・8万円、率にして7・37%増となっています。しかし、表をよく見ればわかるように、大きく伸びているのは自動車とセメントだけで、他の業種は微増またはマイナスです。

 自動車業界は、昨年度、エコカー減税などによる国内販売の好調さに加えて、円安で海外からの収益が円表示で増加したことなどにより、軒並み業績を上げました。この結果、トヨタ、ホンダ、マツダなどで一時金を大幅に増加させる企業があり、夏季一時金は平均で14・15%も伸びています。これが全体の平均を引き上げた結果、「7・37%」という数字になったのです。

 経団連の発表数字は、「第1回集計」であり、「最終集計」は例年7月下旬ころに発表されます。自動車業界以外にも証券業など「アベノミクス」の恩恵を受けた企業では一時金の増加もあり得ますが、すべての企業に広がるわけではないため、「最終集計」で7%の数字が維持される保証はありません。

主婦への調査「1.1万円増加」

 損保ジャパンDIY生命が毎年発表している「夏のボーナスと家計の実態調査」によれば、500人の主婦への「夫の夏のボーナスが昨年に比べて増えたか減ったか」という質問に対して、「増えた」は37・4%、「同額」が36・6%、「減った」が22・6%となっています。増減額を平均すると、「1・1万円増」という結果です。今年のボーナスの平均額は69・9万円となっていますから、昨年は68・8万円だったということになります。増加率は1・6%にすぎません。

 この調査に回答した主婦の89・8%が「家計においてのアベノミクス効果は感じられない」と答えており、これが庶民の実感でしょう。安倍首相の演説に疑問が出るのは当然です。

 (垣内亮 日本共産党政策委員会)

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