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2013年7月10日(水)

来年にも議会・大統領選 エジプト暫定大統領が「宣言」

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 【カイロ=小泉大介】軍によるモルシ前大統領解任を受け就任したエジプトのマンスール暫定大統領は8日深夜、「憲法宣言」を発し、新大統領選挙に至る今後の政治日程を提示しました。一方、首都カイロで8日に発生したイスラム主義組織・ムスリム同胞団と治安部隊との衝突による死者は9日までに51人に達するなど、モルシ氏解任後の暴力の激化は内外の重大な懸念を呼ぶ状況となっています。


衝突の死者51人に

 地元メディアが報じたところによると「憲法宣言」は、来年にかけて、モルシ前大統領解任で一時停止された現行憲法の改正、人民議会(国会)選挙、大統領選挙の順に移行政治プロセスを進めるとしました。

 憲法改正に向けては、今後15日以内に設置される委員会が改正案を起草し、さらに幅広い第2委員会の承認を得て今年終わりごろに国民投票にかけられる見込み。これにもとづき新人民議会が選出されるまでの立法権は、暫定大統領とこれから選出される内閣に属するとされます。

 移行政治プロセスが動き出す一方、カイロの共和国防衛隊本部付近で8日に発生したモルシ前大統領の出身母体であるムスリム同胞団と治安部隊との衝突事件の真相は、9日になっても明らかになっていません。マンスール暫定大統領は8日、「深い遺憾」の意を表すとともに、同事件に関する司法委員会を設置するよう命じ、事実調査が開始されています。

 軍は8日午後に行った会見で、証拠のビデオ映像を示しつつ、事件は先に同胞団側が実弾を使った攻撃をしかけたもので、治安部隊側も1人が死亡し200人が負傷したと説明。さらに、同胞団がシリア内戦で犠牲となった子どもたちの写真をばらまいて軍の仕業だと宣伝していることを非難しました。

 他方、同胞団傘下の「自由公正党」は同日の声明で、事件は軍による「大量虐殺」だと正反対の主張を行い、「戦車で革命を盗みとろうとする者に対する偉大なる人民の蜂起を」などと訴えました。

 今回の事態に対しイスラム教スンニ派の最高権威機関アズハルのタイイブ総長はあらゆる暴力の停止と国民的和解の必要性を訴え。モルシ前大統領に反対した勢力の統一組織「国民戦線」も犠牲者に哀悼の意を表するとともに「あらゆる形態の暴力を断固非難する」と声明を出しました。


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