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2013年7月9日(火)

経済大打撃 業者が悲鳴

消費税大増税 中止しかない

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 来年に8%へ、再来年に10%へと、消費税の連続大増税が狙われています。13・5兆円という空前の大増税を許せば、暮らしも営業も経済も破壊されます。参院選挙で、消費税増税の中止を訴える日本共産党を躍進させ、「大増税ノー」の審判を下すことが必要です。(川田博子、清水渡、柳沢哲哉)


「多くの仲間が廃業だ」

東京・大田

 中小企業は企業の99%を占め、日本経済の根幹です。働く人の3人に2人が働いている雇用の担い手でもあります。

 その中小業者の多くは、消費税を価格に転嫁できません。安倍内閣が計画する消費税大増税は営業を直撃します。ものづくりの町、東京都大田区では、中小業者たちの悲鳴と怒りの声が渦巻いています。

 金属加工に40年近く携わってきた田中正人さん(仮名、54歳)。「業者は赤字でも消費税を払わないといけない。大企業の法人税を下げて消費税を増税するというのは納得いかない。自民党は大企業しか見ていない」と憤慨します。田中さんはかつて、消費税を滞納したことがあります。窮余の策としてとった手段は、生命保険の解約でした。「あのときはなんとか納税したが、仕事の受注量は落ち込むばかりだ」と声を落とします。

 難波利弘さん(69歳)は、「今だって、仕事がなくてやめていく仲間がいる。消費税が増税されれば、多くの仲間が仕事をやめざるをえない」と、中小企業の集積地が壊れていくことに強い懸念を抱いています。

 「消費税で福祉がよくなるといったけど、そんなことはまったくない。円安の影響で材料代などの仕入れ額が上がった」

 息子には「跡を継げとはいえないんだよ」と、無念さをかみ締めます。

 金属加工の65歳の男性は、「アベノミクスなんて関係ないよ。ぎりぎり生きている零細業者にとっては、話になんかならない」と怒りをあらわにしました。

悪影響「不安」 景気ウオッチャー

 内閣府が8日発表した景気ウオッチャー調査には、景気の先行きについて消費税増税の悪影響を危惧する声が寄せられています。

 建設業経営者は、「やっと景気回復の兆しがみえてきたのに、ここで消費税増税をしてしまったら元のもくあみになってしまう」と景気回復に水を差すと指摘。コンビニ企画担当者は、「先食いの需要だけでは、消費税増税後の反動が怖い」と述べています。

 通信会社の法人営業担当は、「年明けの消費税の増税、景気が回復する前に直接家計に響く諸物価の上昇などが心配される」と、家計への影響を指摘しています。また、「唯一良かった株価も下がり、中小企業には恩恵はなく、消費税増税や商品値上げなどマイナス要因も多く不透明で危険な状況といえる」(東海・求人広告営業担当)との声も。

 商店街代表者は怒りの声を寄せました。「7月の出荷分で小麦粉、マーガリン、バター、シーチキン等の値上がりが発表されている。これに消費税増税が加わると、いよいよ客の買い控えが激しくなる。アベノミクスにより景気が良くなると言っているが、われわれには全く関係ない」。

 消費税増税の悪影響は、政府自身の調査にもくっきりと表れています。

「反対」53.7% 全国商工新聞調査

 「増税は絶対にやめてほしい。アベノミクスといっているけど、もうかっているのは大企業と投資家だけ。われわれは何の恩恵も受けていない」(全国商工新聞6月3日付)

 全国商工団体連合会の新聞、全国商工新聞が東京都杉並区の商店街で行った消費税増税についてのアンケート調査(5月)で、増税に「反対」の回答が53・7%にのぼりました。

 「反対」の理由は、「顧客の減少」「売り上げ減少」「景気の後退」「コスト増」などです。

 アンケートには、さまざまな批判の声が寄せられました。

 「体力がないところは増税は持ちこたえられない」(洋品店=男性)

 「消費税が上がったら小さいところはどんどんつぶれていく」(輸入雑貨店=男性)

 「大企業ばかり優遇している。景気回復は実感できない。税金は金持ちから取ってほしい」(ブティック=女性)

「景気下押しに作用」 民間シンクタンク

 安倍政権が狙う消費税率の引き上げについて、民間シンクタンクが日本経済への悪影響を指摘しています。

 「2014年度入り後は、消費税率引き上げ後の反動減と、公共投資の押し上げ効果はく落による二重の反動減が『政策の崖』として景気下押しに作用」。日本総研のリポート(7月2日)は、経済指標が悪化する要因に消費税増税を挙げています。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングのリポート(6月11日)は、「円安による物価上昇を受けて、企業のコストが上昇し、家計の実質所得が目減りするなどの景気へのマイナス効果が、回復を抑制する要因となる」と指摘しています。さらに2014年度については、「消費税率引き上げ後の影響が、家計部門を中心にあらわれる」としています。

 「アベノミクス」による「円安」加速で物価は上昇しています。一方、所定内賃金は12カ月連続で前年同月割れとなっています。安倍政権になって以降、民主党政権下の賃金すら下回っています。このもとで消費税増税を強行すれば、民間シンクタンクが指摘するような、日本経済への深刻な打撃は間違いありません。

グラフ

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