2013年7月5日(金)
エジプト 軍が大統領を解任
国連総長は懸念 国民は歓迎
【カイロ=小泉大介】エジプトのシシ軍最高評議会議長(国防相)は3日夜(日本時間4日未明)、テレビを通じて声明を発表し、モルシ大統領排除に基づく今後の「政治行程表」を示しました。軍による事実上の大統領解任という事態に、退陣を求め大規模デモに取り組んできた国民は歓喜する一方、大統領陣営は「クーデター」だと強く非難しました。国連総長は「懸念」を表明しました。
軍は1日にモルシ大統領に対し、国民の退陣要求をめぐり48時間以内に野党勢力と政治的解決策で合意するよう求めましたが、大統領はこれを拒否していました。
「行程表」は、現行憲法を一時停止したうえで、早期大統領選挙実施まで最高憲法裁判所のマンスール長官が暫定大統領に就くことを明記。さらに「憲法改正委員会」や「国民和解委員会」を設立するとしています。シシ議長は「軍は政治には関与しない」と強調しました。
行程表は軍がイスラム教、キリスト教の指導者や野党代表と協議して作成しました。協議に出席した野党統一組織「国民戦線」幹部のエルバラダイ前国際原子力機関事務局長は「行程表が(一昨年はじめの)革命の新たな出発点となることを望む」と表明しました。
地元メディアなどによるとモルシ大統領は3日午後、軍当局によって拘束されました。