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2013年6月24日(月)

新基地説得へ日米政府が圧力

外相・防衛相と駐日米大使出席

沖縄全戦没者追悼式

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 どこまで沖縄県民の心を踏みにじるのか―。沖縄戦終結から68年を迎えた23日の沖縄全戦没者追悼式は県民の静かな怒りと、平和への確固とした決意に包まれているようでした。

 安倍晋三首相は外相、防衛相を引き連れて式典に出席しました。両閣僚の出席は今回が初めてです。

 沖縄戦の犠牲者を悼み、平和への思いを深める場に、なぜ今回に限って外交・基地問題の担当閣僚が出席するのか。菅義偉官房長官はその理由を「沖縄の方々に寄り添いながら基地負担の軽減に取り組んでいく」(12日会見)として、基地問題に絡めて政治利用する狙いをあからさまに示してきました。

 両閣僚の出席に加え、ルース駐日米国大使も1995年以来、18年ぶりに出席。県民総意で反対する同県名護市辺野古への米軍新基地建設に向け、県知事の判断が焦点となる中、日米両政府そろっての異例の出席者に多くの県民が圧力を感じとり、怒りと不信感を募らせるのは当然です。

 式典では、仲井真弘多県知事をはじめ、県遺族連合会会長や県議会議長から普天間基地の「県外移設」を求める言葉が相次ぎました。しかし、安倍首相は終了直後の会見で「普天間基地の移設に向けて県民の了解を得るために努力していきたい」と述べ、辺野古への新基地建設を改めて表明。米軍機オスプレイについても、県外への訓練移転に言及するだけで、県民の願いである配備撤回になんら応える姿勢を示しませんでした。

 「沖縄に寄り添う」―。その言葉とは裏腹に、県民が苦しみ、たたかってきた戦中、戦後の歴史を踏みにじってきたのは首相自身です。

 沖縄、奄美、小笠原を米軍の施政権下に切り捨てたサンフランシスコ講和条約発効の4月28日には、「完全に主権が回復した日」だとして政府主催の記念式典を強行。2007年に、沖縄戦の「集団自決」を「軍が命令した証拠はない」として歴史教科書を書き換えたのも第1次安倍政権でした。

 今度もまた「侵略の定義は定まっていない」などとかつての日本の侵略戦争を国会答弁で正当化する安倍首相が、20万人もの命が失われた沖縄戦につながった戦争の本質をどう理解できるというのか。憲法9条改悪を狙う首相の「平和を築く努力」(式典あいさつ)という言葉は、県民の願いとは明らかに異質のものです。(池田晋)


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