2013年6月17日(月)
イラン大統領に穏健派
ロウハニ師、強硬派を破る
【カイロ=小泉大介】2期8年務めたアハマディネジャド大統領の任期満了にともなうイラン大統領選挙(14日投票)結果について、同国内務省は15日夜、保守穏健派で元最高安全保障委員会事務局長のロウハニ師が過半数である50・7%を得票し当選したと発表しました。
選挙戦は6候補の争いでしたが、ロウハニ師は有力視された保守強硬派のガリバフ・テヘラン市長(得票率約17%)やジャリリ最高安全保障委員会事務局長(同約11%)ら他候補を大きく引き離す地滑り的勝利を収めました。投票率は約73%でした。
ロウハニ師は選挙戦で「保守強硬派時代を終わらせよう」と力説。イランに国際的孤立と経済制裁をもたらした政治の転換の訴えが、広範な国民の共感を得た格好となりました。同師は当選を決めた後の声明で、「この勝利は、過激主義に対する英知と穏健の勝利だ」と表明しました。
国際社会との関係改善の必要性を強調する新大統領の誕生を受け、今後の焦点のひとつとして注目されるのは、経済制裁の原因である核開発をめぐる交渉の行方です。昨年4月以降、イランと国連安全保障理事会常任理事国に独を加えた6カ国との協議は5回行われてきましたが、双方の溝は埋まらず次回協議は未定のままとなっています。