2013年6月13日(木)
環境権・プライバシー権
現憲法で具体化可能
参院憲法審査会 井上議員が主張
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参院憲法審査会は12日、「新しい人権」に関して、各党が意見を表明したうえで自由討議を行いました。
日本共産党の井上さとし議員は、日本国憲法は基本的人権の享有(11条)、包括的な幸福追求権(13条)を保障したうえで、個別の詳細な人権規定を定める「懐の深い構造になっている」と指摘。「環境やプライバシーを本気で擁護するなら、憲法の根拠に基づいて立法で具体化することが必要かつ可能だ」と述べました。
井上氏は「環境権やプライバシー権は、すでに憲法の民主的な解釈から当然導き出されるものとして裁判規範にもなり、行政ののっとるべき重要な原則として定着している」と指摘。この間の同審査会で意見を述べた憲法学者も「『新しい人権』を追加するためだけに改憲をする必要は乏しく、立法で解決できる」というのが共通していたとして、「憲法の先進的人権条項にあわせて現実を変える努力こそが国会に求められている」と述べました。
社民、みどりの風も「新しい人権」を理由にした改憲の必要はないとの立場を表明。民主は「まず法律を整備することが優先」と述べました。
一方、自民、維新は「新しい人権」を書き込むための改憲をいいながら、「人権規定はわが国の歴史、文化、伝統を踏まえたものが重要」(自民の中川雅治氏)「権利の行使には、権利に伴う義務、自由に伴う責任を自覚しなければならない」(維新の水戸将史氏)など、基本的人権の尊重とは相いれない主張を展開。基本的人権に新たな制約を課す「公益及び公の秩序」(中川氏)なども書き加えるよう主張しました。