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2013年6月9日(日)

「損害と賠償にズレ」

日弁連 原発事故被害でシンポ

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 東京電力福島第1原発事故の被害に対する損害賠償の問題点や課題を考えるシンポジウムが8日、東京都内で開かれました。主催は日本弁護士連合会(日弁連)。専門家や原発事故の避難者ら約180人が参加しました。

 日弁連の松田幸子副会長は主催者あいさつで、原発事故被害の救済は「遅々として進んでいない」と指摘。

 環境法や公害被害の賠償に詳しい、淡路剛久立教大名誉教授(日本環境会議理事長)は基調報告で、原発事故被害の広範性や継続性、深刻性は前例がなく、「交通事故など従来の損害賠償の法理論をあてはめるだけでは答えを得られない」と解説しました。

 除本理史大阪市立大教授は、「実際の損害と賠償にズレがある」と指摘。自立した地域づくりを目指してきた福島県飯舘村を例に、地域の未来を奪った「ふるさとの喪失」に対する賠償や原状回復をと提起しました。

 福島原発避難者訴訟原告団の早川篤雄団長は、「事故は避難民のこれまでの全てと将来を奪った。完全賠償までたたかう」としました。

 原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)への申し立てに取り組んできた小海範亮弁護士は、避難による生活費増加などの賠償を勝ち取ったと紹介しつつ、「慰謝料の増額は望めない」「補償だけで事故の責任論はない」とADRの限界を指摘しました。

 パネルディスカッションでは、「従来通りの賠償では、地価の差で避難先の家を買えない」(原発ADRの小島延夫仲介委員)、「原発事故で失ったものに向き合い、奪われた権利を取り戻す理論も必要だ」(寺西俊一日本環境会議事務局長)などと議論しました。


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