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2013年6月9日(日)

主張

オスプレイの訓練

本土への拡散では解決しない

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 安倍晋三首相が「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長の提案を受け入れ、沖縄に配備されている米海兵隊の新型輸送機オスプレイの飛行訓練の一部を大阪府の八尾空港でおこなう計画の検討を小野寺五典防衛相に指示しました。大阪はもちろん沖縄からも抗議の声が相次いでいるのは当然です。

 人口密集地のど真ん中にある八尾空港でオスプレイの訓練を実施するなど実現不可能です。八尾市など地元の頭越しで移転を検討すること自体、言語道断です。安倍首相や橋下代表が沖縄のためのようにいうのは、沖縄県民をあざむくものでしかありません。

危険な訓練の押し付け

 オスプレイは世界各地で墜落事故を起こしている危険な軍用機です。日本政府は昨年アメリカにいわれるまま沖縄県民の島あげての反対を押し切って、人口密集地のど真ん中にある普天間基地(宜野湾市)への配備強行を認めました。アメリカの国防長官でさえ「世界一危険」といった普天間基地への危険な欠陥機の配備は、文字通り県民の命を脅かすものです。

 現在普天間基地に12機配備されているオスプレイは、沖縄県内のほか、山口県の米軍岩国基地を拠点に、本土でも低空飛行や夜間飛行の訓練をおこなっています。八尾空港で訓練をおこなうのは、住民の命さえ脅かす危険をたらい回しし、拡散させるだけです。

 オスプレイの飛行訓練を八尾空港に移すという計画は、橋下氏が突然持ち出したものです。八尾空港は大阪府東部の民間空港で、普天間基地と同じように市街地のど真ん中にあります。陸上自衛隊の八尾駐屯地が隣接し、自衛隊のヘリなども利用していますが、これまでもセスナ機やヘリの墜落などの事故がしばしば起きています。八尾空港へのオスプレイの訓練移転に、八尾市民や大阪府民が反対するのは当然です。

 日本では日米安保条約にもとづき米軍が全国に軍事基地網を張り巡らし、訓練区域や低空飛行ルートを勝手に決め、米軍機がわがもの顔で飛び回っています。民間空港の利用も拡大しています。沖縄だけでなく全国で被害が深刻で、各地の住民は墜落の恐怖と爆音被害に苦しめられています。オスプレイの訓練を移転し危険を拡大するのは、許されません。

 安倍首相は訓練の移転を沖縄の負担軽減のためといっていますが、これほど沖縄県民と国民をあざむく口実はありません。飛行訓練を全国に拡散しても、オスプレイが普天間基地に配備されている限り、本土での飛行訓練が終われば沖縄に舞い戻り県民を苦しめ続けます。沖縄県民の願いはオスプレイの配備そのものの撤回です。訓練の一部を移転させる代わりに配備を固定化すれば、それこそ県民の願いを踏みにじることになります。

沖縄と本土が一体で

 沖縄県民の総意を踏みにじってオスプレイの配備と訓練を押し付け、それをさらに全国に広げることは異常です。オスプレイを撤去するとともに、沖縄でも全国でも米軍基地そのものをなくしていくことこそ政府の責任です。

 米海兵隊はこの夏、普天間基地にオスプレイを12機追加配備する計画です。沖縄県民と国民を危険にさらすオスプレイの配備撤回と訓練中止のため、沖縄と本土が一体で力を尽くすことが重要です。


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