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2013年6月9日(日)

欧州の緊縮策 転換を

市民・労組「対抗サミット」

ギリシャ

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 【パリ=浅田信幸】欧州のさまざまな市民団体や労組が結集し、欧州連合(EU)の政策の抜本的転換を求める「欧州対抗サミット」が7日、ギリシャの首都アテネで開幕し、全体会議で「緊縮政策を終わらせ、真の民主主義を要求する」とのスローガンを掲げた「人民のマニフェスト(宣言)」が発表されました。


写真

(写真)7日、アテネで開かれた欧州対抗サミット全体会議(浅田信幸撮影)

 マニフェストは、「欧州は危機にひんしている」と指摘し、緊縮政策のもとで格差が拡大するなど「われわれ(欧州)の社会モデルを解体しつつある」と告発。また「民主主義と平和が脅かされている」とし、偏狭な民族主義や宗教差別、人種差別などが広がり、「人々の連帯を弱める政策によってEUの存在そのものが脅かされている」と警告しました。

 その上で、「平等、連帯、真の民主主義という原則に基づき欧州を立て直すことが緊急に必要だ」と呼びかけ、(1)債務への隷属を断ち切る(2)環境にやさしい社会的欧州(3)不安定労働と貧困に反対(4)経済的民主主義―の4項目を立て、項目ごとに具体的な「共通の緊急要求」を掲げました。

 対抗サミットは、かつて数回開かれた欧州社会フォーラムを受け継ぐもので、昨年11月の同フォーラム10周年記念を機会に、市民団体などが中心になって立ち上げました。賛同団体は21カ国180の市民団体や労組です。

 主な賛同団体には、金融取引税(トービン税)の導入を求める運動体「アタック」や人権団体、労組では欧州労連(ETUC)および同労連に加盟する各国の労組が名を連ねています。

 対抗サミットは7日、約1500人が参加し、分科会から開始されました。このうち公的医療分野では、最低限の治療を受けるために犯罪を働いて刑務所に入った受刑者が出ているギリシャの例など、生々しい実態が紹介されました。

 教育分野でもこの3年間ほどの間に予算が大幅に削減される国が広がり、スペインでは教員が10万人減らされ、各国で学級人数の増加と労働時間延長、労働組合の権利侵害など公教育に対する「攻撃」が強まっていることが示されました。

 対抗サミットは8日、10のテーマ別分科会を開き閉幕、同夕方(日本時間9日未明)アテネ市内でおこなう「欧州デモ」で締めくくられます。


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