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2013年6月9日(日)

きょうの潮流

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 昔読んだ昆虫読み物に、「太陽の子」と題された蝶(ちょう)のことが書いてあったのを思い出しました。ウスバシロチョウという中型の蝶のことで、一生を通じて、太陽を好む習性があるという内容です▼先週、福島県内を列車で移動中、車窓から青々とした草むらに低く舞っていたのが見えました。弱々しい独特の飛び方でそれとわかります。名前のように羽は薄く白く、ふだん見慣れた蝶と違い、鱗(りん)粉(ぷん)が少ないため半透明です。群れれば、カサカサと羽のこすれる音さえします▼その読み物には、色や形で付けられた名前からは、「太陽の子」の生活ぶりをうかがい知ることはできないとありました。外からうかがい知れないことはよくあることです▼相手のことを知ろうともしない場合もあります。東京電力福島第1原発の汚染水対策の一つとして、地下水を海へ放出する計画に関する国の説明会です。風評被害を心配する漁業者などから反発を招いているなか、一般市民向けに福島県内2カ所で開いたもの▼わかりにくい説明、対症療法的な事の進め方。主婦は「食の楽しみを奪われた。不安を取り除いてほしい」と訴えました。漁師も「自分たちにとって地下水の海洋投棄そのものが悪影響を及ぼす」と▼第1原発が立地する大熊町から避難した女性は、帰れない古里の地下水の行方を心配します。計画を進める側の論理しか頭にないのか、住民の生活や生業(なりわい)への影響について、国から説明は一切ありません。理解を得られないのも当然でしょう。


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