2013年6月8日(土)
トルコ 8日連続反政府デモ
首相 再開発中止要求を拒否
【カイロ=小泉大介】公園再開発計画反対の行動をしていた住民の強制排除をきっかけに全土に広がったトルコの反政府デモは、7日で8日目に突入しました。6日にエルドアン首相がデモ隊の要求の一つである再開発計画中止を拒否したことを受け、同国情勢は新たな局面を迎えています。
現地からの報道によると、反政府デモの中心舞台である最大都市イスタンブールのタクシム広場には、6日夜から7日未明にかけて数千人のデモ隊が集結。口々に「エルドアン首相は辞任せよ」「目標達成まで行動をつづけるぞ」などと声を上げました。首都アンカラでも同様のデモが取り組まれました。
これに先立つ6日には、エルドアン首相が訪問先のチュニジアで会見し、再開発について「トルコの歴史、文化、環境を尊重したものだ」と述べ、計画通り実行する意思を表明しました。反政府デモについて「過激派が含まれており、そのなかにはテロに関わっている者もいる」と敵視する姿勢をあらわにしました。
反政府デモに対する治安部隊の弾圧についてはアルチン副首相が4日に「過度な暴力を行使したことは誤りだった」と謝罪しましたが、今回の首相発言で国民のいっそうの反発を呼ぶことは必至の状況です。
エルドアン首相率いるイスラム主義政党・公正発展党の支持者の動きも顕在化しており、6日深夜には帰国する首相を出迎えようと数千人がイスタンブール空港につめかけました。また地元メデイアによると同日、反政府デモ隊が公正発展党支持者とみられる集団に襲撃される事態が起きており、イスラム主義勢力と世俗派勢力との「対立」に陥りかねない危険な状況も生まれています。