2013年5月30日(木)
幅広い人権保障 懐の深い構造に
参院憲法審 井上議員が主張
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参院憲法審査会は29日、「新しい人権」などをテーマに高橋和之明治大学法科大学院教授、土井真一京都大学大学院教授を招いて質疑を行いました。
日本共産党の井上哲士議員は「日本国憲法は幸福追求権を定めた13条などで幅広い人権を保障する懐の深い構造をもっている。新しい人権についても立法的な措置で実現していけばいい」と主張しました。井上氏が改憲をしなければ、環境権の保障ができないのかと質問すると、高橋氏は「まず法律によって実現すべきだ。改憲しなければ、これ以上の環境整備ができないとなれば問題となるが、現在の立法体制はそこまでいっていない」と答えました。土井氏も質疑のなかで、「国民代表機関である国会の役割が重要だ」と述べ、立法で対応すればよいと述べました。
井上氏が日本国憲法の人権規定の先駆性について聞いたのに対して、土井氏は「日本国憲法は比較的新しい憲法なので、社会的権利を含め多くのものが入っている」と強調しました。
また、井上氏は国家権力を憲法で縛るという立憲主義を「古い王政の時代の考え方」とする意見があることを批判し、見解をただしました。
高橋氏は「民主主義の下では、権力を恐れる必要はないとの考えもあるが、民主主義でも乗り越えてはいけない限界を示したのが立憲主義だ。人権は、たとえ国民の多数が同意しても侵害してはならないという原則で憲法は作られている」と答えました。