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2013年5月30日(木)

主張

株乱高下1週間

投機とバブル招く政策中止を

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 先週半ばからはじまった株価の下落は、乱高下は収まりつつあるようにみえるものの、いぜん不安定さを抜け出せていません。東京株式市場の日経平均株価は、この1週間で1000円近く下がりました。日本とともに株価が下落したニューヨーク市場では高値更新の動きも出ているだけに、日本の株価下落は異常です。実体経済の立て直しはやらないで、金融政策中心に投機とバブルをあおり立ててきた安倍晋三政権の危険な経済政策(「アベノミクス」)の見直しと中止が求められます。

異常なバブル制御不能に

 先週23日の東京市場で平均株価が一気に1000円以上も暴落した株価は、その後も時には1日に1000円近く上げ下げするような乱高下を繰り返してきました。株価の下落はアメリカやアジアの市場でも起き、アメリカの金融引き締めの動きや中国関連の経済指標の悪化が背景と指摘されましたが、日本の場合下げ幅が極めて大きく、乱高下を繰り返すなど深刻です。安倍政権になってからの「異次元」の金融緩和を中心とした「アベノミクス」の政策で、円安の進行とともに株価が急騰するなど、投機とバブルが広がって日本経済が極めて不安定になっていたことが背景です。

 「アベノミクス」は、金融緩和と財政出動、さらにこれから本格化する大企業のための規制緩和が柱ですが、実体経済の立て直しは眼中にありません。安倍政権の発足から5カ月たちますが、1〜3月期の国内総生産(GDP)統計などでみても、株高で潤う高所得者の消費は増えているものの、労働者の雇用者所得は名目でマイナス、設備投資や雇用も増えていません。実体経済が回復しないのに金融緩和でお金をジャブジャブあふれさせれば、バブル経済が深刻化するのは明らかです。

 実際、昨年来急速に進んだ株高は、ファンドと呼ばれる外国の企業や資産家による株への投機が主な原因と見られています。「アベノミクス」で円安や株高がすすむことだけを期待した思惑買いです。投機マネーはある程度株価が上がればもうけを確保するために株を売り、何らかの気配があれば一気に株を手放します。株価が実体経済とは無関係に乱高下するのは経済のかく乱でしかありません。

 異常な金融緩和でバブルを起こし、インフレの気分を高めさえすれば「景気がよくなる」かのようにいう「アベノミクス」には、もともとこうした投機マネーの動きを規制する発想はありません。それどころか金融緩和を進めれば金利が下がり消費や投資も拡大するようにいっていたのに、日銀が国債を買い集めすぎたために債券市場で長期金利が上昇、株安の引き金のひとつになりました。文字通り「アベノミクス」は制御不能になりつつあります。

実体経済立て直す対策を

 たとえ一時的に株価が持ち直しても、制御不能の「アベノミクス」が今後も続けは、インフレによる物価の急騰や資産家と一般国民の格差の拡大、長期金利上昇による消費や投資の冷え込みなどが表面化し、日本経済の矛盾がますます深まるのは確実です。

 投機とバブルをあおる「アベノミクス」は中止し、国民の所得と雇用を拡大して実体経済を立て直す経済政策への転換が不可欠です。


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