2013年5月26日(日)
オバマ氏演説、両面評価
模索は「歓迎」 無人機攻撃「侵害」
パキスタン
【ニューデリー=安川崇】米国がパキスタンなどの領内で継続する無人機攻撃をオバマ大統領が演説で擁護したことについて、パキスタン外務省は24日の声明で、「(無人機攻撃は)国家主権の侵害だ」とするこれまでの主張を繰り返しました。一方でオバマ氏が「力だけで安全が得られるわけではない」と語ったことを「歓迎する」と述べ、評価の見解も示しました。
声明は無人機攻撃について「罪なき民間人の命を奪い、人道上の問題をはらみ、国際法に違反する」と指摘。「政府は一貫してそう主張してきた」と述べました。
他方、「テロ問題の解決には包括的な戦略が求められていることも、私たちは訴えてきた」と述べ、武力以外の解決策を追求する余地を残したオバマ氏の姿勢を評価しました。
パキスタン政府はこれまでも無人機攻撃を批判してきましたが、「米国との密約で実際は容認している」との指摘が絶えません。
11日投票の国民議会(下院)選挙で大勝し首相就任が見込まれるシャリフ元首相は無人機攻撃について「大変深刻だ」と述べるなど、問題視する姿勢を示しています。ただし主要な援助国である米国に対し強硬な姿勢に出るかどうかは現在のところ未知数です。