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2013年5月26日(日)

グアテマラ虐殺裁判

元将軍への判決取り消しに抗議

遺族ら6000人デモ

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 中米グアテマラで24日、1980年代の軍事政権の責任者リオス・モント元将軍に大量虐殺への関与で禁錮刑を言い渡した判決を憲法裁が取り消したことに抗議するデモと集会が行われました。


 この日は、国連人権高等弁務官事務所も判決取り消しを「遺憾」とする声明を発表。中南米各国でもグアテマラの人権侵害追及の運動に連帯する行動が取り組まれ、批判と抗議の声は国境を越えて広がりつつあります。

 現地からの報道によると、首都グアテマラ市では約6000人(主催者発表)が行動に参加。リオス・モント軍政時代(82〜83年)に、反政府武装集団の「協力者」として弾圧され、国軍の掃討作戦の中で1771人が殺された北西部の先住民イシル族の代表や犠牲者の遺族らがデモの先頭に立ちました。

 参加者は、元将軍を擁護してきた財界団体本部や憲法裁の前で集会を開き、判決取り消しの不当性と撤回を訴えました。

 リオス・モント氏の裁判は3月に開始され、事件の目撃者らが虐殺当時の状況を生々しく証言。今月10日、大量虐殺と人道に反する罪で禁錮80年の判決が下されました。この過程で被告側の弁護士らが審理中の手続き上の不備などを挙げて、裁判の中止を憲法裁に求めていました。憲法裁は20日、これを受け、判決の取り消しと審理の一部やり直しを命じる決定を発表しました。判事5人中3人の賛成による決定でした。

 先住民共同体組織の代表ペドロ・トゥル氏は、憲法裁の3人の判事は「判決を取り消し、訴追逃れを擁護し、憲法を踏みにじった」と語りました。

 軍政や国軍の人権侵害に苦しんできた中南米諸国でも同日、さまざまな抗議行動が展開されました。

 隣国ホンジュラスの首都テグシガルパ市内のグアテマラ大使館前に、「忘れることも許すこともしない。リオス・モントは監獄に」などの横断幕を持った市民が集まりました。

 南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでは、同国の軍政時代に弾圧され行方不明となった犠牲者の遺族らが大使館前に十字架やろうそくを置き、グアテマラの人権侵害追及の動きに連帯を表明しました。(菅原啓)


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