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2013年5月14日(火)

主張

大企業決算

賃金引き上げで社会に還元を

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 東京証券取引所に上場する企業の2013年3月期の決算発表がピークを迎えています。急速にすすんだ円安などを受け、自動車など輸出大企業が利益を大幅に回復させているのが特徴です。しかし、大企業のもうけは労働者や中小企業には回っておらず、国内の設備投資も鈍いままです。「デフレ不況」からの脱却が日本経済の緊急課題となるなか、大企業はいまこそ利益を賃金引き上げや雇用の拡大で社会に還元すべきです。

労働者、下請けを犠牲に

 時事通信社の集計によると、先週末の10日までに連結決算を発表した企業790社のうち、ほぼ2割が最高益の更新を見込んでいます。円安がすすむなかで、来年3月期も26%もの大幅な増益となることが予想されています。

 日本最大級のトヨタ自動車は営業利益を前期(昨年3月期)より1兆円近く増やしました。5年ぶりの高収益に押し上げたのは円安効果による海外での販売増とともに、4500億円にものぼる「コスト削減」です。「カイゼン」とよばれるトヨタ流の「合理化」策です。設備や人員の削減など労働者と下請け企業へのしわ寄せによって業績を回復させた格好です。

 大企業が労働者と中小企業の犠牲でもうけを上げながら、それを賃金や雇用の拡大で社会に還元しようとしていないことこそ、国内での消費を低迷させ、「デフレ不況」を長引かせてきた根本原因です。大企業は記録的なもうけにもかかわらず労働者の賃金引き上げには背を向け、これまでのやり方を改めようとはしていません。

 経団連が発表した東証一部上場企業(従業員500人以上)の今春闘の回答・妥結状況を見ても、製造業平均の引き上げ額は定期昇給分を含め月額6204円、わずか1・96%です。金額では前年の回答額より115円減っています。本来の賃金の引き上げであるベースアップ分は、ほとんどなかったというのが実態です。大企業が軒並み増益を見込みながら、わずかな賃上げにさえ回そうとしないのでは、労働者の暮らしはよくならず、国内での売り上げや消費も増えるはずがありません。

 日本の大企業は不況のなかでもリストラで利益を確保し、260兆円に上る内部留保を積み上げてきました。トヨタ自動車1社だけでも、新たに7700億円もの内部留保を利益剰余金として積み増しています。そうした利益を労働者や下請け業者に還元するとともに、設備を拡大し、地域の雇用や所得を保障するのは企業の社会的責任ですが、大企業は海外進出には熱心でも国内での設備投資には慎重な姿勢をくずしていません。円安で恩恵を受けている自動車業界でさえ国内投資には不熱心で海外生産の流れは変えないというのは、国内での雇用責任など眼中にない態度というしかありません。

本格的な景気回復の道

 こんな状況を放置したままでは、個人消費も中小企業の仕事も増えず、景気の回復にもつながらないことは明らかです。大企業に内部留保の一部でも賃上げや下請け単価に回させ、雇用や所得保障の責任を果たさせるべきです。

 安倍晋三政権の異常な金融緩和や大型開発のばらまき、解雇自由化など「規制緩和」をやめさせ、大企業本位の経済政策を転換することがそのためにも不可欠です。


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