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2013年5月13日(月)

シャリフ元首相勝利宣言

パキスタン 政権交代へ

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 【イスラマバード=安川崇】パキスタン下院にあたる国民議会(342議席、任期5年)の投開票が11日に行われました。野党パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML―N)党首のナワズ・シャリフ元首相は同日夜(日本時間12日未明)、自宅前に集まった支持者に「わが党は第1党になる」と事実上の勝利宣言をしました。


 開票作業は日本時間12日夕方時点も続いていますが、地元メディアによるとPML―Nは120前後の選挙区で優勢で、改選前の91議席から積み増す見込みです。

 同元首相は「どの党からも議席を『借りる』必要はない」とも述べ、同党単独で政権を樹立できるとの見通しも示しました。

 与党で、建国以来初めて文民政権として5年の任期を全うしたパキスタン人民党(PPP)は継続を訴えましたが、優勢な選挙区は32〜34にとどまる情勢。改選前の124議席から激減するとみられます。

 クリケットの元スター選手イムラン・カーン氏率いるパキスタン正義運動(PTI)は34前後の選挙区で優勢。同党は2008年の前回総選挙をボイコットしたため、議席は持っていませんでした。


解説

実績積めず現職に批判

 選挙で選ばれた政権が任期を全うした後、選挙で次の政権を選ぶ―。軍事クーデターが繰り返されてきたパキスタンで実施された今回総選挙を、翌日の現地各紙・テレビはこぞって「歴史的だ」と高く評しました。

 投票所に足を運んだ有権者は、口々に失業や物価高、警官や役人の汚職体質などの生活上の不満を訴えました。「前政権の5年間は何も改善しなかった。新しい担い手を求める」という言葉に、現職批判の強さが感じられました。

 パキスタン人民党(PPP)政権が実績を積めなかったという指摘は、識者やジャーナリストにも共通します。2008年の前回総選挙で同党は、直前にブット元首相が暗殺されたことへの同情票もあり、大きな支持を得ました。今回はそうした事情もなく、「PPPに票が集まる要素はなかった」(情報省関係者)とみられます。

 地主層を基盤とするPPPに対し、パキスタン・イスラム教徒連盟シャリフ派(PML―N)は財界と、最大の人口を擁するパンジャブ州に強い地盤を持ちます。他に国内の広範囲にわたって組織を持つ政党はなく、PML―Nが現職批判の受け皿となった面があります。一方、PML―Nが掲げた経済振興政策が期待を集めたとの指摘もあります。(イスラマバード=安川崇)


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