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2013年5月12日(日)

グアテマラ大虐殺 弾圧

元国家元首に禁錮80年

軍事独裁政権の将軍 同国で初

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 【カラカス=田中靖宏】中米グアテマラの裁判所が10日、同国の軍事独裁者だったリオス・モント元将軍(86)に、ジェノサイド(大量虐殺)と人道に対する罪で禁錮80年の有罪判決を下しました。


 同元将軍は1982年にクーデターで政権を奪取。1年以上にわたって大統領として軍事独裁政権を率い、解放闘争に立ち上がった反政府武装グループやその支援者だけでなく、広範な人々に血の弾圧を加えました。

 今回罪に問われたのは、82年に西部キチェ県で起きた先住民267人の虐殺など、合計226件の掃討作戦による1771人の殺害に関してです。

 60年代から96年まで続いた同国の内戦では約25万人が死亡・行方不明となりました。国軍による人権侵害については、これまで直接関与した位の低い軍人や警官が罪に問われただけでした。

 リオス・モント元将軍は退役後も長く議員特権で訴追を免れてきました。これに対し先住民の被害者や人権団体が粘り強く告発運動を続けて裁判が決定。この3月から始まった公判で数々の証言、証拠が示され、審理が進められました。

 現地からの報道によると、ハスミン・バリオス裁判長は判決公判で、「被告が事件を熟知しながら、制止しなかったことは明らかだ」と断罪。ジェノサイドの罪で50年、人道に対する罪で30年の、それぞれ禁錮刑を言い渡しました。

 国家権力の元トップが有罪になるのは同国で初めて。ロイター通信などは、国際的に見ても、ジェノサイド問題を扱う国内の裁判で元国家元首に有罪判決が下ったのは初めてのことだと報じています。

 中南米では60年代以降各国で、米国に支援された軍事独裁政権が樹立され、多数の国民が弾圧を受けました。いま各国でその責任追及がおこなわれています。


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