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2013年5月4日(土)

沖縄 オスプレイ訓練 激しさ増す

運用ルール違反常態化

追加配備に不安強まる

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 小野寺五典防衛相とヘーゲル米国防長官は、沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に垂直離着陸機MV22オスプレイ12機を今年夏に追加配備する方針を確認しました(4月29日)。しかし沖縄でのオスプレイの飛行実態は、日米両国が合意した運用ルールの違反が常態化。訓練は実戦化し激しさを増しています。追加配備方針は、県民の不安を一段とかきたてています。


 「県民の不安は払拭(ふっしょく)されていない。さらに12機はOKですよとはとても言えない」

 沖縄県の仲井真弘多知事は4月30日、オスプレイの「運用ルールはほとんど守られていない」とし、追加配備に反対の考えを表明しました。

 県は昨年12月、オスプレイが普天間基地に配備された同年10月1日から11月30日までの2カ月間、自治体や住民から寄せられたオスプレイ目撃情報の調査結果を発表しました。それによると、目撃件数517件のうち、学校や病院を含む人口密集地上空での飛行など運用ルールに反する飛行は318件にも上りました。

 県は、政府の責任で飛行実態を調査し、日米で合意した運用ルールとの関係を検証、公表するよう求めていますが、いまだに回答はありません。

 しかも調査が実施された昨年10月〜11月は基礎訓練の期間でした。在日米軍のアンジェレラ司令官が述べているように、オスプレイが「完全運用能力」に達したのは昨年12月。それ以降、訓練内容は実戦化し、行動範囲も広がっています。(表)

 沖縄では、兵員を乗せての輸送訓練や都市型戦闘訓練などを実施。陸上自衛隊との共同訓練も行っています。今月1日には、伊江島での初のパラシュート降下訓練で兵士1人が基地外の民間地に着地する事態も起こっています。

 本土では、四国地方と和歌山県を通る「オレンジルート」で低空飛行訓練を強行。海外の共同演習では、米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)が母港の強襲揚陸艦での発着艦訓練などを行いました。朝鮮半島情勢が緊迫する中で米韓合同演習にも参加しています。

 キャンプ・シュワブなど米軍演習場を抱える名護市は4月、市内でのオスプレイの飛行や訓練の状況を発表。学校や住宅地上空での飛行やヘリモードでの旋回が繰り返され、日米合意がまったく守られていない実態が浮き彫りになっています。

 沖縄に新たにオスプレイ12機が配備されれば、訓練量は倍加します。政府が追加配備の強行を後押しするため、飛行実態の調査や運用ルール違反の検証に背を向け続けることは許されません。(榎本好孝)

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