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2013年4月27日(土)

主張

「主権回復」式典

主権・平和破壊する政権の暴挙

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 あす28日は、サンフランシスコ「講和」条約と日米安保条約が発効した1952年から61年を迎える日です。安倍晋三政権が「4月28日」を「主権回復の日」と称して政府主催の式典を開くことに、国民の批判が噴き出ています。

 28日には東京で「安保条約廃棄・真の主権回復を求める国民集会」が開かれます。沖縄でも「政府式典に抗議する沖縄大会」が広範な県民の呼びかけで開かれます。「主権回復」を称した政府主催式典に国民的合意がないのは明らかであり、式典は中止すべきです。

「従属と屈辱の日」

 サンフランシスコ条約の締結会議には、日本がアジア・太平洋戦争で侵略した中国や韓国は招待されず、当時のソ連などは調印を拒否し、全面的な講和ではありませんでした。領土不拡大の原則に反して、2条C項では千島列島のソ連の不法な占領を認め、3条では沖縄や奄美、小笠原をアメリカの施政権下に置くなど、「主権回復」とは程遠いものです。しかも6条では米軍の駐留を認め、同時に結ばれた安保条約とともに、日本全土を米軍基地としたのです。まさに「従属と屈辱」の条約です。政府主催の式典が国民に支持されないのは当然です。

 見過ごせないのは、条約発効から半世紀以上を過ぎた今なお、60年に改定された安保条約の下で日本は米軍の出撃基地とされ、国家主権と国民主権がじゅうりんされていることです。「主権回復」などという言い分は、二重三重に国民を欺くものです。

 とりわけサ条約で日本から切り離された沖縄は、72年の日本復帰後も全国の米軍専用基地の4分の3が集中する異常な状態が続いています。4月28日を「屈辱の日」と抗議してきた沖縄の反対を押し切る政府主催式典の開催に、県民が2度目の切り捨てだと憤激するのは当たり前です。

 本来講和条約は、日本が侵略の責任を反省し、戦争状態を終わらせるためのものですが、「主権回復の日」を祝おうという安倍政権が侵略戦争の責任を否定し、再び国際的孤立と戦争への道を進みつつあることは重大です。

 最近も安倍首相が靖国神社の例大祭に供え物を贈り、麻生太郎副総理ら3人の閣僚が参拝しました。靖国神社はアジア・太平洋戦争を「自存自衛の正義の戦争」とたたえる侵略戦争賛美の特殊な施設です。そこへの参拝が、国内はもちろん、侵略の被害を受けた国から抗議されるのは明らかです。安倍首相は中国や韓国の抗議に「脅しには屈しない」と開き直り、侵略の責任を反省した村山富市元首相の「談話」見直しまで口にしています。それこそ日本の孤立を決定的にし平和を破壊するものです。

憲法改悪の企て許さない

 もともと自民党内のタカ派など右派勢力が「主権回復の日」の式典を求めてきたのは、憲法改悪の企てを加速するためです。日本の主権が「回復」する以前につくられた憲法は占領軍が押し付けた物だというのがその口実です。自民党は昨年の4月28日に合わせて自衛隊を「国防軍」とする改憲案を発表しました。安倍政権が今年の政府主催式典を強行するのはその流れに弾みをつける狙いです。

 憲法改悪を阻止するためにも、主権と平和を破壊する政権の暴挙に立ち向かうことが急務です。


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