「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2013年4月25日(木)

北朝鮮問題 米韓で新たな流れ

緊張から「対話」探る動き

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 北朝鮮をめぐる緊張した事態から、「対話」という言葉が北朝鮮と米国、韓国との間で交わされる新たな流れが出ています。

 北朝鮮は昨年、国際社会の警告を無視してミサイル技術を使った「ロケット」を2度発射し、今年2月には3度目の核実験を強行。国連安保理が3月に制裁強化の決議を採択すると「米国主導の圧殺策動だ」と反発し、朝鮮戦争の休戦協定の「白紙化」と「戦争状態」を宣言、核施設の再開を打ち出すなど、挑発的な言動を連発。国際的に懸念と批判が広がりました。

 一方、米国は韓国との大規模な合同軍事演習を開始し、爆撃機B52、B2も投入。北朝鮮は「核攻撃の威嚇だ」と非難し、「核先制攻撃」で防戦する権利を公言するなど、悪循環をたどりました。

「条件」に言及も

 緊張が高まる中、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は4月11日、「北朝鮮と対話する」「韓半島の信頼プロセスを必ず稼働させる」と発言。米国のオバマ大統領も同日、同盟国の防衛を強調しつつ、「外交的解決を目指し取り組み続ける」と改めて表明しました。

 米国は、緊張緩和の措置として米韓合同演習の一部中止も発表し、大陸間弾道弾(ICBM)発射実験の延期も報じられました。

 北朝鮮をめぐっては20年前、「核疑惑」で米国が軍事攻撃をギリギリまで検討したことがあります。最終的に、米国は“米韓は勝利するが膨大な死傷者、被害が出る”と分析、戦争という手段はありえず、外交での解決が望ましい選択と結論付けました。

 12日から韓国、中国、日本を歴訪したケリー国務長官も、「北朝鮮が国際的な義務と規範を順守する用意を見せ、対話の一環として非核化へ向けた動きをとると明確にすれば、対話は始まる」と言明しました。

 米韓などの「呼びかけ」に北朝鮮は、金正恩(キムジョンウン)第1書記を責任者とする国防委員会が18日、米側がまず動くべきだと声明。(1)国連安保理の制裁決議の撤回(2)米韓の「核戦争演習」中止―など、対話の条件を逆提示しました。

 安保理決議の撤回には、北朝鮮の核兵器開発放棄へ向けた動きが必要で、米国のケリー国務長官は要求を拒否。しかし、北朝鮮から「対話」という言葉が出たことに「最初の一歩として見てみる用意はある」と今後に期待を示しました。

国際社会一致で

 米韓の合同演習は4月末に終わる予定ですが、北朝鮮は核兵器開発を加速させる姿勢を崩さず、ミサイル発射準備の動きも伝えられています。問題を対話による解決の道に戻すには、中国を含む国際社会が一致して制裁の実効性を高めつつ、対処することが必要です。

 ケリー長官の訪中では、制裁の課題について、「あらゆるオプション(選択肢)を残らず全面的に議論」し、米中の高官が協議を続けることでも合意。中国の武大偉・朝鮮半島問題特別代表が訪米したのに続き、米国のバーンズ国務副長官が訪中する予定です。

 北朝鮮は、自国に有利な条件のために動いており、対話の実現までには紆余(うよ)曲折もあるでしょう。しかし、話し合いこそ解決の道であり、関係国にはいっそうの外交努力が求められています。(田川実)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって