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2013年4月23日(火)

インド 怒り再燃

5歳少女暴行、警察怠慢捜査

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 【ニューデリー=安川崇】インドの首都ニューデリーでこのほど5歳の少女の性的暴行事件があり、女性への暴力に対する怒りが再燃しています。また、捜査の不備を指摘された警察が被害者家族に現金を渡そうとしたことも発覚。警察への批判も強まっており、首都や各地で抗議運動が続いています。


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(写真)「女性と子どもを暴力から守れ」などのプラカードを掲げる女性団体メンバー=22日、ニューデリー(安川崇撮影)

 少女は14日、デリー東部の自宅付近で遊んでいて行方不明になりました。17日になって、自宅のある建物1階からうめき声がするのに住人が気付き、救出されました。繰り返し暴行されているほか全身に外傷があり、病院で緊急手術を受けました。局部からビンなどの異物が摘出されたといいます。

 病院関係者によると容体は安定しているものの、退院には時間がかかるといいます。

 警察は20日、1階に住んでいた22歳の男性容疑者を東部ビハール州で逮捕しました。

 報道によると、家族が14日に行方不明を届け出た際、警官は数時間にわたって立件しようとせず、また少女の自宅付近の聞き込みもしませんでした。

 家族は地元メディアに、「娘が発見された後、警察署に呼ばれ、『医療費』として2000ルピー(約3700円)を払うと言われた」と証言。「私たちは警察にきちんと捜査してもらいたかっただけだ」と憤っています。

 直後から警察署前などで大規模な抗議運動が発生。22日にはデリー中心部の公園脇に複数の女性団体・学生団体メンバーら約200人が集まり、「警察署長は辞職せよ」などのスローガンを叫びました。

 会場では「いつまでレイプは繰り返されるのか」「デリーは何も変わらない」との声が聞かれました。一方、参加した団体職員レヌ・シンさん(30)は「事件があると人々がこうして通りに出て怒りを表現するようになった。以前とは違う」と語ります。

 少女が入院している病院前にも連日100〜200人が集まっています。東部パトナーやコルカタなどでも抗議運動がありました。

 同国では昨年12月にデリーであった女子学生に対する集団性的暴行・殺人事件を機に、女性への暴力に抗議する運動が全国に広がりました。政府は強姦(ごうかん)罪への死刑適用などの厳罰化法案を成立させました。

 しかしその後も性的暴行は連日のように報じられています。21日にも首都で3件の事件が発生。被害者はいずれも未成年でした。ヒンズー紙は22日付で「厳罰化しても、当局の無神経さが改善されない限り役に立たない」と指摘します。


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