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2013年4月23日(火)

靖国神社への閣僚の相次ぐ参拝

侵略美化の宣伝拠点への訪問

アジアとの協調に深刻な影響

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 安倍内閣閣僚の相次ぐ靖国神社参拝が韓国、中国との外交問題に発展しつつあります。北朝鮮情勢の緊迫化で国際社会の連携した対応が求められる中、過去の侵略戦争を美化する安倍政権のゆがんだ歴史観が、アジア各国との協調に深刻な矛盾をきたしています。

韓国外相が訪日を中止

 靖国神社の春季例大祭(21〜23日)に合わせて、麻生太郎副総理(21日)をはじめ、新藤義孝総務相(20日)、古屋圭司国家公安委員長や加藤勝信官房副長官(21日)が相次ぎ参拝。安倍晋三首相本人も21日、真榊(まさかき)を奉納しました。

 これを受け、韓国外務省報道官は22日、閣僚らの参拝などに対し「歴史を忘却した時代錯誤的な行為」と批判し、「深い憂慮と遺憾」を表明。26、27日に予定されていた政権発足後初の韓国外相の訪日、日韓外相会談の中止を明らかにしました。来月に予定されていた「日中友好議員連盟」(会長・高村正彦自民党副総裁)の訪中も中止となり、尖閣諸島問題で改善の見通しが立たない日中関係にも波及しはじめています。

 韓国、中国が日本の靖国神社参拝に抗議しているのは当然です。同神社は、領土拡大と他国の支配を目的にし、アジアに2000万人という甚大な犠牲をもたらした日本の侵略戦争を、“自存自衛”“アジア解放”の戦争だと美化・合理化する中心的な宣伝拠点となっているからです。折しも神社併設の軍事博物館「遊就館(ゆうしゅうかん)」では特別展「大東亜戦争70年展」を開催。展示の趣旨を「アジアの解放と共存共栄の新秩序を確立するという先人達の事跡を拝観いただく」と明記しています。その神社を閣僚が訪問することは、自らを侵略戦争肯定の立場におくことになります。

対北朝鮮も対応に障害

 しかも、麻生副総理は韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と2月に会談した際、朴大統領から「日韓の未来志向の協力のためにも、歴史認識が重要である」とくぎをさされました。それに対して麻生氏自身「お互いの立場を理解することが重要であり、そのために双方の政治家として努力していきたい」と答えていました。その「努力」が靖国参拝だとしたら、これほど「相手の立場」を踏みにじるものはありません。

 いま、北朝鮮が「瀬戸際外交」で軍事的威嚇を繰り返しているなか、国際社会での対応が急務となっています。「もっとも直接に影響を受ける当事者は日韓」「日本としても歴史問題を重要な外交政策の一部分として日韓関係を考えていくという姿勢が必要だ」(木宮正史・東大大学院教授、21日のNHK日曜討論)という指摘もあります。

 そのときに、閣僚の相次ぐ靖国参拝と安倍首相の真榊奉納は、北朝鮮問題解決にも逆行する政治行為だといわざるを得ません。(池田晋)


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