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2013年4月11日(木)

中東和平交渉 再開の扉重く

米国務長官訪問終わる

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 【カイロ=小泉大介】米国のケリー国務長官は9日、イスラエルのネタニヤフ首相とエルサレムで会談し、3日間にわたる同国とパレスチナ自治区訪問を終えました。長官は7日にはアッバス・パレスチナ自治政府議長とも会談するなど、2年半にわたり中断している中東和平交渉の再開に向け当事者と断続的に協議しましたが、再開のめどは立ちませんでした。

 ケリー長官は9日、ネタニヤフ首相との会談後の会見で「(イスラエルとパレスチナの)双方の指導者は事態を前進させるために力を尽くすと確約した」と評価すると同時に、「物事を正しく行うことは早急に行うことよりも重要だ」とし、和平交渉再開には時間がかかるとの認識を示しました。

 ネタニヤフ首相は9日の会見で、「私は交渉再開のみならず、紛争を終わらせるために真剣な努力を行うことを決心している」と表明。一方で、「(和平交渉では)いくつもの政治的議題があるが、最初は承認と安全保障の問題となる」などと“条件”を示しました。

 首相が求める「承認」とは、パレスチナ側がイスラエルを「ユダヤ人国家」として認めることです。これは、第1次中東戦争(1948〜49年)などで現イスラエル領にある故郷を追われたパレスチナ難民の帰還権の放棄につながる極めて重大な問題です。イスラエル側は今回、交渉再開に新たな障害を持ち込んだ格好となりました。

 パレスチナ側は和平交渉の優先課題として、将来のパレスチナ独立国家の境界線地図をイスラエル側が提示することを求めています。この点に関してイスラエル高官は8日の地元紙で「問題外だ」と述べるなど無視する姿勢を見せています。

 ケリー長官は9日の会見で、交渉再開に向けた「信頼醸成措置」として占領地ヨルダン川西岸における経済活動を促進することでイスラエル、パレスチナ双方と一致したと表明しましたが、実際に交渉再開につながるかどうかは予断を許さない状況となっています。


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