2013年4月9日(火)
NATOが空爆 子ども11人死亡
アフガニスタン 治安の安定遠く
【ニューデリー=安川崇】アフガニスタンからの報道によると6日、東部クナル州で、駐留外国軍の空爆により少なくとも子ども11人が死亡しました。また同日、南部では女性外交官ら米国の民間人2人が自爆テロにより死亡。2014年末の外国軍戦闘部隊の撤退期限を前に、治安の不安定さを改めて印象付けました。
報道によると同日、北大西洋条約機構(NATO)軍とアフガン軍の部隊が反政府武装勢力タリバンの司令官らと交戦。NATO側が実施した空爆で複数の民家の屋根が崩壊しました。現地知事報道官は子ども11人と女性1人が死亡したとしています。タリバンの戦闘員8人も死亡しました。
同国大統領府は「(カルザイ)大統領は民間人を盾として使うタリバンを強く非難するとともに、民間人犠牲につながる住居地域でのいかなる軍事作戦も強く非難する」とする声明を出しました。
NATO側は空爆を実施したことは認めていますが、民間人の死者については確認していません。
同州では2月にもNATO軍の空爆で民間人10人が死亡しています。カルザイ氏はアフガン部隊に対し、外国軍への空爆要請を禁止すると発表していました。NATO側は今回の空爆について、「NATO部隊からの要請によるもの」だとしています。
一方、同日、南部ザブル州で走行中のNATOの車列に、爆発物を積んだ車が接近し、爆発。米兵3人と女性外交官、米国防総省関係者の計5人が死亡したといいます。
NATO軍はアフガン側への治安権限の移譲を段階的に進めてきましたが、タリバンとの戦闘は依然として続いており、撤退期限後の治安情勢の見通しは不透明なままです。