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2013年4月2日(火)

民主化進むミャンマー

半世紀ぶり民間日刊紙

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 【ハノイ=面川誠】ミャンマーで1日、民間日刊紙の発行が半世紀ぶりに復活しました。政治・経済改革に大きくかじを切ったテイン・セイン大統領が就任してから2年。民主化の進展に伴い、軍政下の1980年代末から民主化を率いてきたアウン・サン・スー・チー国民民主連盟(NLD)議長の役割も大きく変化しています。


まず4紙 店頭に

 2011年3月30日に発足したテイン・セイン政権は、労働組合の合法化、集会法の制定、多数の政治囚釈放、報道機関への事前検閲廃止、少数民族武装組織との和平などの政治的民主化を推進してきました。

軍政下に廃刊

 1日には民間発行の日刊紙が1964年に軍政下で廃刊されて以来、約半世紀ぶりに復活。許可された16紙のうち4紙が店頭に並びました。他の12紙も準備が整い次第、順次発行する予定です。

 一方、昨年に西部ラカイン州で起きたイスラム教徒ロヒンギャ族と仏教徒ラカイン族の衝突や、中部マンダレー、バゴー両管区で先月続発したビルマ族仏教徒によるイスラム教徒への襲撃のような、宗派間暴力が深刻化しています。

 大統領は3月31日の全国ラジオ演説で、「わが国は平和と安定がなかったせいで経済的後退を経験した」と述べ、「平和、安定、法の支配の守護」を呼び掛けました。

 現地メディアの記者は、「一連の衝突は組織的に行われたようだが、背後勢力は分からない。少数民族武装組織と国軍の戦闘なら当事者は明確だが、宗派対立はすべての国民が当事者になりかねない危険な要素だ」と危惧します。

 国が大きな変化を遂げる中で、民主化の立役者として強い人気を持つスー・チー氏の言動も変化しました。在野から昨年4月1日の連邦議会補欠選挙で国会に進出。議会の「法の支配・安定・平和委員会」委員長として、民主化立法に責任を負う立場にあります。

軍優先と批判

 昨年12月には、住民の大規模な反対運動が起きている中部の銅鉱山開発の是非を調査する政府委員会の委員長に就きました。この銅鉱山は国軍系企業と中国企業が共同開発。スー・チー氏がまとめた調査報告書は開発継続を容認し、「国軍の利益を優先した」と批判を浴びました。

 2015年の総選挙での政権獲得と自らの大統領就任を視野に入れているスー・チー氏としては、かつて自分を自宅軟禁下に置いた国軍との良好な関係を保ちたいところです。NLD幹部は「わが国の政治地図は大きく塗り替わっている。スー・チー議長は、もはや抵抗の象徴ではない。責任ある政治家の苦悩を冷静に見てほしい」と語ります。


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