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2013年3月29日(金)

「学校守れ」 市民立つ

米シカゴ 市が54校統廃合計画

低所得地域に集中「不正義だ」

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(写真)米シカゴの公立学校統廃合計画に反対するデモ行進=27日(山崎伸治撮影)

 【シカゴ=山崎伸治】「私たちの学校を守れ」――。5年間通っている学校にまだ行きたい―小学生の女の子が叫びました。全米第3の都市シカゴで27日、市当局が発表した54カ所に上る公立学校の統廃合計画の撤回を求める集会とデモが行われ、数千人が寒空の下で声を上げました。

 シカゴ市当局は19日、教育財政の赤字解消と施設利用の“効率化”を理由に統廃合計画を発表しました。対象は同市の公立学校(小・中学校合わせ9学年)のおよそ10%、ほとんどがアフリカ系やヒスパニック(中南米系)が多数を占める低所得者地域で、影響を受ける児童は約3万人。1都市における1回の計画としては米国史上最大の規模といわれます。

 集会・デモは発表を受けてシカゴ教員組合などが呼び掛けたもので、対象となる学校の児童・保護者のほか教職員、地域の連帯組織や労組のメンバーなどが参加。集会場所の市庁舎前広場では開会前から、そろいのTシャツを着たり、プラカードを掲げたりした人たちが「学校を守れ」「ラーム・エマニュエル(市長)をやめさせよう」と気勢を上げました。

 集会で演説したシカゴ教員組合のカレン・ルイス議長は、統廃合計画は「不正義だ」と非難。「これを計画した人たちは、庶民の声を聞いていない」と述べ、大きな歓声を受けました。

 市側は各学校ごとに「公聴会」を開いて5月中にも最終決定を行い、9月の新学期から強行する構えです。ルイス議長は「たたかいは終わっていない」と強調。計画の差し止めを市議会に働き掛けるとともに、法的手段にも訴えることを明らかにしました。

 反対運動に連帯したくて参加したというミゲル・ナバさん(18)は「計画はアフリカ系やヒスパニックの子どもを学校から追い出すものだ。まったく公正でない」と強調していました。


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