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2013年3月25日(月)

スロベニア 反緊縮の新政権

国際融資の回避が課題

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 旧ユーゴスラビアのスロベニアで20日、緊縮政策を推し進めて国民の怒りを買った前政権与党が次々連立を離脱し、反緊縮派の勢力が議会で多数を占め、新政権が誕生しました。(島崎桂)


地図:スロベニア

 同国初の女性首相に選出された第1党「積極的なスロベニア」(中道左派)のブラトゥシェク党首(42)は就任に際し、緊縮策の見直しと雇用の拡大を強調。「経済成長を損なわない財政強化を目指す」と述べました。

 同党は2011年12月の国民議会(下院、定数90)選挙で第1党を勝ち取るも、連立工作に失敗。以来、ヤンシャ前首相率いる第2党スロベニア民主党(保守系)を中心とする連立与党が政権を担ってきました。

 ヤンシャ前政権は財政再建策として、公務員給与の引き下げや人員削減、年金支給開始年齢の引き上げを含む緊縮策を推進。消費減退に伴う経済の悪化により、同国の失業率は08年の7%から13%以上にまで跳ね上がりました。

 国民は同政権下、数万人規模のデモやストを繰り返し、緊縮策への不満を表明してきました。今年1月には首都リュブリャナで公務員約10万人がデモ行進。「政府は職員数を維持し、市民サービスの質を守れ」と要求しました。

 国民からの圧力に加え、ヤンシャ氏の汚職疑惑が浮上したことにより、連立を組む複数の政党が政権を離脱。国民議会は2月27日、同氏の不信任決議を採択しました。

 緊縮策からの決別を主張するブラトゥシェク新首相にとって最大の課題は、国際通貨基金(IMF)や欧州中央銀行(ECB)など国際機関からの融資の回避です。巨額の不良債権を抱える同国銀行への資本注入や政府債務の償還のために国際機関の融資を利用する場合、条件としてギリシャやキプロスのような過酷な緊縮策が求められます。

 これまでヤンシャ前政権の緊縮策を評価してきたIMFは、今月20日発表の声明で「経済回復のため、緊急の政策が必要だ」として改めて緊縮策を要請。これに先立ち、ブラトゥシェク新首相は議会で「(緊縮策に苦しむ)ギリシャのようなシナリオは、スロベニアには存在しないことを明言する」と訴えました。


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