2013年3月20日(水)
入植の即時停止を要求
イスラエルのパレスチナ占領地
国連調査団
【パリ=浅田信幸】ジュネーブで18日に開かれた国連人権理事会で、パレスチナ占領地におけるイスラエルの入植地建設に関する現地調査団は、入植の即時停止と入植者の撤退を強く要求しました。
国連欧州本部広報部によると、現地調査団のクリスチーヌ・シャネ団長は、入植地が増大し続けて「徐々に併合の形態」をとり、パレスチナ人の自決権を危うくしているとし、「イスラエルは直ちに植民地化プロセスを停止し、入植地撤退のプロセスを開始すべきだ」と強調しました。
シャネ氏はまた、入植地の建設が、国際人道法の一つとされるジュネーブ第4条約の、被占領地の文民の強制移住を禁じた第49条に違反していることを指摘するとともに、パレスチナ人に対する恣意(しい)的な拘束や、入植活動に関連した暴力についても終わらせるべきだと述べました。
調査団は昨年2月の人権理事会決議に基づき、「パレスチナ占領地におけるイスラエルの入植地がパレスチナ人の市民的、政治的、経済的、社会的、文化的権利に及ぼす影響」を現地で調べる目的で組織されました。
同調査団はすでに今年1月末に報告書を発表。その中で、イスラエルの入植地建設が現地のパレスチナ人の権利をないがしろにした「全面的な差別体制」のもとで進められていると断定し、国際刑事裁判所(ICC)の取り扱い事項に含まれることを示唆していました。
パレスチナは昨年11月に国連の「オブザーバー国家」として認められたため、ICCに提訴する権利を得ています。
イスラエルは1967年の第3次中東戦争後、占領したパレスチナ人の土地に250の入植地を建設し、入植者は52万人にのぼります。